並木道

 お前なんか一人のひとりのひとりっきりな、その真ん中で幸せになってろヴォケ、そう俺は声に出さずにいって、あのとき背を向けたんだ。


「絶対に一人で幸せになってやる」


 こっちが歩き続けていたら突然に、遠くから彼が大きな声を出していった。


 それに対しこっちは、呆れ半分、嬉しさ半分で、最後に会ったあのとき、後ろを振り返ったりもせず歩いていきながら俺は同時に、よく分からない温もりも感じながら、並木道を後にした。









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