隔たり
彼にとってそれはチケットだったし、また彼の笑顔さえあればチケットとして通用しそうだと考えてたあの頃の俺たち。
俺たちには不必要な本がそこに次々と積み上げられていき、てっぺんに、彼は、彼にとってチケットなそれを少女の部分に盗られることがないようにと、置いた。風は吹かないのだと、彼はそう思うことに決めていた。俺たちが一度だって信じてみようとも思わなかった色々を彼は彼一人だけは、とっくの昔に着てた。ちゃんとサイズも知ってた。どこへだって行ける。どこまでだって行ける。全員にそう思わせてくれた彼。俺たちはもうどこにも行けないだろう。
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