第447話 死はそこまで簡単なものか?
その気になれば死ねるとか、もう死んでも良いとか言う人がいるが、その人は、本当に死がどういうものか考えているのかな、と疑問に思う。
自分の場合、まず、死ぬのなんて怖くて嫌だ、という感覚がある。意図的に死ぬのであれば、大抵の場合、辛い思いをしなくてはならない。そして、それとは関係なく、本能的に死ぬのは嫌だという思いがある。少なくとも、今は生きているのだから、生きている方が良い。
死ぬのが怖いのは当たり前だとして、今度は、では、死とは何だろうか、と考える方向に向かわなくてはならない。これについては、最初の段階で、分からないという絶対的な結論を出しておく必要がある。死んでみないことには、死がどういうものか分からない。けれど、死んだらもとには戻らないので、死ぬわけにはいかない。こんなふうに、死とは酷く曖昧で、しかしながら、生命の絶対的なゴールであることが分かる。
人間には行動の自由があるから、自殺するのも自分の勝手だが、自殺というのは少々特異な行為で、それをすると生が破壊される。すなわち、行動の自由を用いるのは、生きていて、生きるためなのに、自殺することで、その枠組みを飛び越えてしまうわけである。
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