第439話 当たり前か、not当たり前か

 暑くても、ホットコーヒーは美味しいし、寒くても、アイスクリームは美味しい。暑いからアイスクリームを食べると、当たり前だし、寒いからホットコーヒーを飲むと、当たり前である。


 上で言ったことに、特に意味はないが、当たり前のことよりは、そうでないことをした方が面白い、という気がしなくもない。面白さを感じる一つの要因は、ほかのものとの距離、つまりギャップがあることだから、あえて常軌を逸した行動をすると、それが面白さに繋がる可能性が生じる。暑いのにラーメンを食べていたら、面白いかもしれない(でも、自分はラーメンを食べると体調が良くなくなるので、食べないが)。


 けれど、あえて当たり前のことをするというのも、それはそれは美しく感じられることもある。真冬にホットコーヒーを飲むというのはまさにそうで、寒い中、白い息を吐きながらコーヒーを飲む様は、非常に絵になるように思える。どちらか覚えていないが、短歌か、あるいは俳句には、枕詞という技法があるが、あれも、あえて当たり前の組み合わせを使うことで、歌に深みを持たせるという手法であり、この説明に合致する。


 結論としては、どちらもバランス良くやるのが良い。

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