第396話 機械的なフィードバックには意味がない

 最近、コンピューターが人間に近づきつつあるのではなく、人間がコンピューターに近づきつつあるのだ、という話を聞いたが、たしかにそういう面があるように思われる。自分が思いついたのは、フィードバックに関することだが、これについて少し述べたいと思う。


 フィードバックとは、物事を終えた際の振り返りのことである。スマートフォンのアプリにも登場する言葉だが、あれは疑問点や改善点を企業側に伝え、回答を得るという機能なので、意味は同じだと思われる。


 フィードバックという言葉は、日常的に使われる機会が多くなりつつあるが、とにかくフィードバックをすることが大事なのだというのは、如何なものかと感じる。たとえば、模試を終えたらフィードバックをして、何が上手くいったのか、何が上手くいかなかったのかを分析することが重要である。それをしないと次に同じ失敗をするかもしれないし、今回できなかったことを次にできるようにならない。けれど、そのようなフィードバックそのものが成長に繋がる最大の要因だとはいえない。上記の例でいえば、模試を終えて結果が返ってきたら、必ず何かしらの感情を抱くはずである。その感情こそが、成長に欠かせない何よりの糧だからである。


 フィードバックは、それをする必要を感じる、つまり感情を抱いてこそ有効なのであって、ただ機械的にやって意味があるものではない。

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