第372話 電話に電話
「電話に出んわ」と言うよりも、「電話に電話」と言った方が面白い。たぶん、似たようなことをどこかで書いたと思う。が、本当にそう感じるのだから、もう一度書いても良いだろう(という、書くべきことを思いつかなかったことへの、言い訳)。
「電話に出んわ」の「に」は、到達点のようなものを表していると思われる。文法的にどうなのかは分からないが、個人的にはそういうイメージである。一方で、「電話に電話」の「に」は、どちらかというと、英語のbe動詞に似たような役割を担っている。イコールとは少し違うが、「電話、さらに電話」みたいな感じである。
「電話に電話」が面白く感じられるのは、「電話に出んわ」という駄洒落が先にあるからだと、個人的には考える。「電話に出んわ」という普通の文句と比較して、「電話に電話」が特殊だからこそ、面白いのである。本来なら「電話に出んわ」の方が特殊なのだが、もとの状態への回帰というか、「電話に電話」という特殊から普通への逆戻りが、特殊なのである。
前提を覆すようなことになるが、そもそも、駄洒落を面白いと感じる人は、どれくらいいるのだろうか。
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