　ネットで画像検索みたいなのをしていたら、「良い状態も悪い状態も、長くは続かない」という名言の画像が出てきたが、たしかにその通りだと思う。

　良い状態も悪い状態も長くは続かないとは、要するに波があるということである。良い状態が続いている様子を上り線、悪い状態が続いている様子を下り線で表せば分かりやすいが、これは景気や、最近でいうと某ウイルスの感染者数の推移を表すグラフと一致する。反対にいえば、景気や感染者数の推移を表すグラフというものは、世界で起こる状態の変化を視覚的にしたものだから、良い状態も悪い状態も長くは続かないというのは、この世界の定理の一つとして捉えることができるともいえる。

　私たちは（少なくとも私は）、ついついどちらかの状態を維持しようとしがちである。良い状態が続くように、あるいは悪い状態が続かないようにと考えて行動するわけだが、そんなことが達成できたことは一度もない。少し考え方を変えれば、そうした努力をすることが、状態の推移を引き起こしていると考えることもできる。良い状態を維持しようとしすぎることで、それが度を超し、悪い状態が引き起こされるということである。

　今の自分が良い状態なのであれば、もう少ししたら悪い状態になることを予想しておくと良いかもしれない。