次世代の卵
翌朝
任務の疲れたお昼時に迫るまでぐっすりだったアリシアは、またしてもジャンボDXを10人前平らげる。
吉火が聴いた話だとジャンボ君は彼女の故郷では月一で食べられるかどうかの高級品らしく彼女からすれば、ジャンボ君が一杯食べられるのは夢のようだと眉を垂らしながら微笑ましく食べていた。
ジャンボ君だけで機嫌が良くなるなら吉火にとっては喜ばしいが、やはり食料の消費が馬鹿みたいに速い。
ある意味、兵糧攻めに等しい。
定期補給があるにせよ2人で30日分の食料が2日で半分を切っていた。
組織の都合上バレないように運んでいる為、頻繁には物資は来ない。
本社に急いで手配したが補給スケジュールの修正が必要になってくる。
食事を終えてからアリシアは満足げにお腹周りを摩る。
そこで吉火は自分とのAPでの模擬戦を申し込んだ。
今まで確認する事が出来なかったが、彼女は元々歩兵ではなくAPパイロットだ。
身体能力の高さもあるだろうが、一体どの程度の技量なのか正確に知る必要があった。
何せ、ATの中で独学同然でやっていたのだ。
変な癖がついていたらせっかく能力が台無しになると考えたからだ。
アリシアにそれを伝えると彼女は快諾した。
彼女自身もAP戦でどこまで通じるか気になっていたようだ。
彼女は更衣室でダイレクトスーツに着替え、シュミレータールームに向かう。
シュミレーターには2種類ありAPのコックピットを利用したモノと専用機器に繋がれたモノがある。
前者の利点は簡易的なシュミレートができる事後者は機動による加速時のGを感じる事が出来るようになっている点だ。
今回は実戦を想定して後者ができるシュミレータールームに向かい、先に乗り込んでいた吉火に続いて乗り込んだ。
乗り込んだ後に自分が組み上げたUSB上の起動キーを差し込む。
パイロット間では形状がUSBに似ていることから“APUSB”と呼ばれていると吉火から聞いた。
世間的にもそれで通じるので正式名称は覚えていない。
一度正式名所を読んだが、やけに小難しく長い名前だったので諦めた。
これにはAPの汎用性に対応する為に各パイロットに与えられた自機のAPのカスタムデータが入っている。
これは起動キーであると同時にカスタマイズした機体仕様をシステム的に最適化するためである。
仮に通常から逸脱した規格外装備をAPに施してもこのUSBに事前にデータがあればOSの書き換えなしで最適化してくれるのだ。
更に仕様が違うAPに乗ってもUSBがあれば、あの程度カスタマイズ通りの仕様にシステム的に近づけてくれる。
物資の都合でカスタム通りの兵器がなくても互換性のある武器をデータベースから算出するなどかなり便利だ。
このカスタムデータにはパイロットの癖も記録しAP戦で最適化させているのだ。
これによりAPは高い冗長性も獲得し兵士個人に合わせた最適な兵器として完成しているのだ。
APUSBに記録されたアリシアのAPのデータがシュミレータに読み込まれていく。
そこにいるのはアリシアの集大成でありアリシアの分身とも言える兵器にして剣だ。
◇◇◇
吉火とアリシアは模擬戦を開始した。
T4だけのあの時とは違い今の吉火にはちゃんとカスタムイズを施した“水連”と言う機体を使っていた。
元々、運動性の高い機体だが、吉火は更にそれを高めるために装甲を出来る限り削り関節の柔軟性を上げている。
機体の軽量化もあり、戦闘機形態では並みのAP以上の機動力も獲得している。
武装はオーソドックスに右手にライフルを装備している。
背部格納部位であるマウントハンガーにはライフルが2丁背負われ、両腕には折りたたまれた何かがついていた。
吉火はスタート地点である広野にいた。恐らく、モンゴルの高地を基に作られた地形と考えられる。
目の前にはアリシアが組み上げた“水連”が居た。
彼女も水連を使う事に吉火は少し驚いた。
日本の制式機だが、バランスも良く扱い易い点初心者向けではあるがその分、膂力のパラメータが低い。
APの筋力の主体である駆動系“鋼筋”は収縮性に富んだワイヤーの束を編み込みそれを筋肉の様に張っている。
理想的な観点で言えば、パイロットの筋力とAPの筋力はある種の対比関係が望ましいとされる。
例えば、筋力が強い人間が使うなら、それに相応しいだけの量の鋼筋を持たせた方が機体を違和感なく扱えるのだ。
少なくとも吉火が見る限り、アリシアの筋力は自分よりも高い。
水連の膂力のパラメータが低いのは単純に日本人が欧米の人間などよりも小柄になりやすく筋力も相対的に低いと言う都合からだ。
その方が日本人の中で万人が扱い易い機体になるからだ。
だが、アリシアの体を考えるならオラシオをベースにした方が良い。
あの機体は遊びの無い扱いにくい機体だが膂力パラメータを高く、運動性も高い。
私見だが、今のアリシアなら扱い切れると吉火は睨んでいた。
彼女が何を思って水連を選んだのかは分からない。
その謎は恐らく、吉火が見たことも無い奇妙なカスタマイズの影響かもしれない。
「何だ?あの脚は?」
アリシアの水連の足元は通常に比べ、肥大化が見て取れた。
何かのパーツを明らかに足元に接合している。まるでAPにブーツを履かせた様なパーツだ。
今までの彼女の行動からして明らかに何か意味があると思われるが、推察する時間は残されていなかった。
スタートのカウントが始まったのだ。
「後は習うより慣れろか……」
シュミレーター開始のカウントが減っていく。
3‥‥2‥‥1‥‥GO!
互いに距離を取りライフルを構え、地面を滑走しながら撃ち合い始めた。
AP戦の基本は戦闘機形態でのドッグファイトと地上における滑走戦だ。
人型で空中3次元機動の戦闘もするが、空中での機動や静止はエネルギーの消費が激しく 戦法頻度3つの中で一番低い。
2人は互いに地面を滑走しながら出方を見た。
お互いに狙いを定めて当てにいく。
互いに変速を掛け上下左右に運動を小刻みに入れる。
互いの弾丸が互いの装甲を掠める音が辺りに木霊する。
ただ、連射するだけではない。3点バーストで互いに不規則に撃ち会っていた。
まるでタイミングを計る様に……。
「当たらない……吉火さんやはり並ではないんですね」
「当たらないか……アリシア、君は並を超えているな」
お互いがお互いを認めていた。お互いがお互いに読み会っていた。
機体越しに見える人の癖を見切り、その隙を互いに攻撃していた。
隙を見せた瞬間に3点バーストで撃ち合っているだけだが、その隙が分からない人間なら既に両機で20機は狩っているだろう。
互いが互いに隙を読まれたと判断した時、直感的にそれを避けているのだ。
「なら、これでどうですか!」
アリシアは隙を見せた。わざとだ。
吉火を誘い込むためにそのように見せかけたのだ。
吉火はその隙に3点バーストを放つ。
だが、アリシアは回避を取ろうとしない。
回避はせずに狙いを定めた。
「操作ミスか?」と吉火の直感がそう告げる。
回避行動はもうできない。確実に当たったと経験が告げる。
この期に及んで躱す術などありはしない。
だが、次の瞬間カウンターを仕掛ける様に放たれた彼女の弾丸が吉火の弾丸を迎撃した。
吉火は直感が奔った。銃弾でも当たり心地と言う物がありその感が告げた。
自分が経験した事が無い物に当たったと……それに困惑した吉火に僅かに意識の隙が出来る。
「そこ!」
アリシアは反撃に3点バーストで放つ。
吉火は今まで鍛えて来た反射神経で直ぐに避けるが動作が一歩遅くれた。
弾丸は左肩に直撃、使用不能のアラートが表示された。
吉火はそのまま距離を取り、岩陰に隠れた。
岩陰なら実弾は通らない。
アリシアも迂闊にこちらを狙いに動けば、岩陰を利用されて背後を取られる可能性がある。
仮に空中から攻めても岩陰のお陰で上空からの射角が厳しくなり狙い難い。
吉火はその間に機体のOSを最適化し冷静に分析する。
「まさか……経験則で弾丸を見切っているのか?それとも狙いを定めたのは銃口か?」
吉火の予想ではアリシアは狙いを定めたのではなく吉火のモーションをマネしたのだと考えた。
吉火と全く同じモーションを取れば銃口の座標は同一に出来る。
回避しなかったのは銃口と銃口を合わせる状態を作り、吉火のモーションに一歩遅れてカウンターを仕掛ける。
弾丸を迎撃し、吉火を動揺させる為だと予想した。
「だとしたら、恐ろしいな。あの歳でそんな技術を身に付けるとは……1人でよくそこまで鍛えたものだ」
吉火は彼女を舐めていた自分に憤りを覚える。正直、驚いている。
適性が無いとまで言われた彼女がここまでの力を付けた事に脅威すら感じる。
彼女は確かに強い。まるで適性を努力で買い占めた様な存在。
努力で才能を買う天才だったのだとその時、分かった。
自分と言う存在を打ち壊し、新たな者へ創り変えるほどの苦痛……吉火はそれを想像するだけで発狂しそうだった。
そんな過酷な訓練に耐えたアリシアに畏敬すら抱いた。
吉火は彼女の行動が自分には理解できないと言う理由で彼女の行動を操作ミスと決めつけ、油断した自分を呪う。
「敵を舐めるな。そう教えられたのに私は未だにそれが出来ていなかった様だな。恨めしい限りだ」
これがシュミレーターでなければ自分は死んでいたかも知れない。
そう考えるだけでゾッとする。
「探り合いは無しだ。やられるな」
例え訓練とは言え、手加減したら訓練にならない。勝負事は勝負事だ。
彼は本気で勝ちに行く事にした。吉火は気を引き締めた。
幸い、彼女は吉火の出方を待っているのかレーダー上、動いていない。
「仕掛けるなら今か?」
アリシアを基準に左に大きく移動してそのまま狙う事にした。
彼女は左利きなので彼女にとっての唐突な右移動は左利きにとっては対応し難いはずだと判断した。
吉火は右に大きくスライドし狙いを定めた。
だが、そこに彼女はいなかった。
「いないだと!」
レーダーでは彼女は位置を変えていない。吉火は「まさか……」と思い、上空を見た。
この状況でその行動に本来メリットなどない。
普通のパイロットはそもそも、そこで待ち構えるように静止しない。
彼女はまるで吉火が出てくるのを“そこでずっと待っていた”ようだった。
そこには吉火に気づき、上空から猛突してくれ彼女がいた。
あまりに非合理だが、それ故に彼女が何かを考え勝負に出たと確信できた。
「そちらも勝負に出た様ですね!なら!」
吉火は3点バーストを激しく撃った。
空中での機動は高度維持と激しい機動でエネルギーをかなり消費する。
戦闘をしないなら永遠と飛ぶ事も出来る。
だが、戦闘と言う激しいエネルギー消費は最悪、機体をフリーズさせる。
その為にも定期的に地上戦をしてエネルギーを回復しなければならない。
吉火はアリシアの回避回数を増やす様に弾を乱射した。
狙いがデタラメでも当たれる訳にはいかないのだから避けるしかない。
そうなれば、彼女の機体のエネルギーの負荷限界でフリーズする。
水連に積まれている核融合炉からしても長くは動いていれないはずはない。
敵の予測エネルギー減衰のパラメータがどんどん消えていく。
アリシアはまるで恐れずに空中で激しく上下左右機体を動かし吉火に向かい猛突しながら射撃をする。
「何か狙っている?」
この行動、一見判断ミスに思われる。
本来なら、もう地上に降りて滑走しても良いものだ。
そうすれば、エネルギー消費は抑えられる。だが、それをしようとしない。
「やはり、何か狙っている……だとしたら、あの脚のパーツか?」
吉火は警戒心を強めた。
そして、敵機の仮想エネルギーゲージが切れた。
このまま落下する様に落ちるはずだった……吉火は狙いを付けた。
「勝負手を切らせて貰います!」
アリシアの決意を顕に脚部パーツを起動させた。
吉火の懸念した脚部パーツから爆発的な噴出し吉火の弾を躱した。
「なに!」
アリシアの突然の動きに吉火の頭が追いつかなかった。吉火の顔がハッと開き驚嘆した。
「一体、何をした!」
APの動きにしてはあまりに鋭角過ぎる動きをされた。
気づけば彼女は上へ跳ね上がり、そのまま鋭利に角度を変えてナイフを取り出し、突撃を仕掛けた。
吉火はその時、それが何か?どう言う物か?ようやく理解した。
「碌でもない物を平然と作ってくれる!」
あのブーツは何らかの推進機構でそれを機体の運動性と連動して起動させ、鋭角な動きを実現している事を理解した。
コロンブスの卵
それを彷彿とさせる話だ。
新大陸を発見したコロンブスに「その程度の事誰でも出来る」と多くの者が卑下した。
コロンブスは言った。
「ここにある卵を立ててみろ」
あらゆる者が卵を立てようとしたが卵は立たない。
そこでコロンブスは卵を壊さない様に底だけを少し壊し卵を立たせた。
そして、皆が言う「そんな事は誰にでも出来る」
コロンブスは言った。
「ならば、何故しなかった?」
初めて何かをやると言うのはそれだけの勇気が伴う。
そう言った教訓の逸話である。
そして、吉火はアリシアにその片鱗を見た。
APが登場してから誰が思いつきそうでしなかった事を彼女は現実にした。偉業だ。感服すらする。
カエストの言う通り彼女には確かに光るモノがあった。
自分とは違う。自分よりも非凡で弱くて強い彼女の方が自分よりも優秀であるのは間違いないとようやく理解出来た気がした。
だが、吉火にもこれまで戦ってきた意地がある。勝負を譲りはしない。吉火は右腕に納刀していた展開式の刀を取り出した。
「なぁ!隠し武器!」
アリシアは隠し武器の存在を失念していた訳ではない。
問題は刀である事だ。刀は薄くあれ以上薄くすると簡単に壊れる程に脆い。
況して展開式となるとフレキシブルな機構が必要とされ、余計強度を低下させ、隠し武器として不向きでアリシアの中からその存在を失念していた。
だから、アリシアは隠し武器があるにしてもナイフ程度と括っていた。
しかも、最悪な事に飛び込んだ自分の間合いは完全に刀の間合い、自分のナイフの間合いではない。
「くっ!」
だが、諦めの悪さならアリシアは筋金入りだ。
確率が低いが脚部パーツを再度起動させる。
最もその前に仕留められてしまうだろう……いや、仕留められる。分かっていた。
だが、それでも足掻かずにはいられなかった。
アリシアはブーツと機体のスラスターを加速させ、一気にナイフの間合いに入り込もうとする。
吉火はそれを迎え討とうと刀を腰に貯め構えた。
あとは純粋な運試しだ。
アリシアは一気に加速し左手に構えたナイフで懐に飛び込もうとする。
だが、吉火の斬撃は確実に自分を捉え、的確にコックピットに放たれていた。
運試しと言っても分の悪い賭けだ。
況して、今のアリシアにそれを覆すほどのモノはない。
吉火の太刀の一閃がコックピットを斬り裂いた。そして、YOU LOSEと表示された。
◇◇◇
試合終了と共に通信を開きアリシアはコックピットの座席に背中を持たれ悔しさを顕にする。
「はぁ……負けたか。お見事です吉火さん。私じゃまだ敵わないな」
吉火の健闘を讃えてはいたが、心胆ではかなり悔しがっているのは彼女の気配から分かる。
それはある意味、恐ろしいと感じながら吉火も彼女を讃えた。
「いや、確かに勝てたが此処まで追い詰められた事はない。君、強いよ。素直にそう思う」
互いに息切れする程の接戦だった。
互いに健闘を讃え合う。お互いにとって大きな実りとなる戦いだった。
アリシアは初めての対人でのAP戦の経験を得て吉火は彼女の輝きの一端を見た。
お互いにその顔はどこか微笑ましかった。
「でも、負けは負けです。もっと鍛錬に励まないと次は負けません」
(次があるとすれば、負けるのは私だな)
それはもう確信に近い。
幾ら擬似的に10年間有ったとは言え、これだけの力を付けるには相当な努力をしたのは伺える。
況して、10年有っても革新的な戦法を思い付ける物でもない。
それは一重に彼女の研鑽と真剣さ、努力が有ったからに他ならない。
少なくとも25年戦ってきた吉火には革新的と自分で自負出来る物を作れた試しはない。
加えて、彼女には自分にはない確かな強い意志を感じる。
その強靭さと生きる事への真剣さがなければ、あの獣には勝てなかっただろう。
その意志があるこそ、あの革新的な戦術を編み出せたのだと確信できる。
「あの戦術はやがて世界に波及するんだろうな……」
吉火の思った事がそのまま言葉に出た。
「ふぇ?何か言いました?」
「あぁ、いや何でもない。アリシア、あのさっきの機動は良かった。よくあんな手を思い付いたな」
「色々、悩んだつもりなんですけど……あの軌道を実現する為に本体重量が軽い水連を色々改造したり練習したんですけどね……やっぱり只のつもりだったみたいですね。これなら勝てると思ったのに私もまだまだ詰めが甘いです。他の手を考えないと……」
「いや、それはダメだ!」
「ふぇ?」
アリシアは吉火の突然の強い口調に驚いた。
今までの吉火の態度から考えられないほどの必死さに面食らう。
吉火はカエストの約束を思い出していた。
彼女を必ず鍛えるとあの時、固く誓った事を噛みしめながら思い出す。
「私に偶々通じなかっただけで今までは上手くいっていたんだろう?私に1回上手く行かなかったからと言って諦めてはいけない。少なくとも私には君のあの機動にはそれだけの価値があると考えている」
「吉火さん……」
吉火の熱い慇懃な態度にアリシアの心がカッと熱くなり、それが心強かった。素直に嬉しかった。
仮想現実でどれだけ上手く行ってもある評価は無機質なデータの数値だけで誰かに認められ、褒められると言う事は無かった。
「相談があれば乗るから……もう少しアレを煮詰める冪だ」
「うん。ありがとう、吉火さん」
アリシアは嬉しそうに微笑んだ。吉火は思った。
彼女の根は凄く真っ直ぐで素直なのだろう。
自慢したりもしない謙虚で屈託もない。
だからこそ、なのだろう。
人から見れば、大ごとをやらかしてもそれを本人は低く見積もる帰来がある。
それが彼女の謙虚さなのだろう。
だが、逆に自分から自分の才覚を捨てる様で勿体ない事をしている。
彼女は考える力を上手く使い熟し戦闘能力を高めたのは今までの件も含めてよく分かった。
同時に新たな問題が浮上した事に吉火はホッとした。
自分が何かを伝える前にお役御免に成らずに済むと何処かでホッとしているのだ。
それにあのマニューバは煮詰めれば使える。
彼女にとっての最大の武器にもなる。
唯一無二の戦法も持つ兵士程生き残れるのに最適化した人間はいないのだから……。
「アリシア、あのマニューバ何か名前はあるのか?」
「あれですか?わたしはジェットステップって呼んでます」
ジェットステップ
それがあの脚のパーツからなる新たな戦術機動の名前であり、彼女だけが持つ輝きの象徴だった。
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