第72話 赤い糸
僕の彼女は裁縫が得意だ。
ほつれを直す時、ぬいぐるみを作る時、写真をデコる時。
全て赤い糸で縫う。
これがまた悪目立ちせず、おしゃれに見えるから大したもんだ。
「赤が一番効果があるの」
彼女はにっこりと笑った。
何に?とは、聞かないでおこう。
元カレのようにはなりたくない。
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