第26話 ロンT
月が綺麗な夜だった。
道の真ん中に少年が埋まっていた。
似合わない煙草から立ち上る細い煙は、まるで狼煙のようだった。
慌てて落ちていた木切れで土を掘った。
だが、掘っても掘ってもTシャツの終わりが見えない。
「無駄だよ。たぶんもう地球の真ん中まで伸びてる」
少年が力なく、笑った。
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