陽炎
まずは腰を屈めて
ゆっくり、ゆっくりと、
決して焦らず、慎重に
そしたら地面に手をついて
そして大きく深く息をして
誰にも乱されず、自分のペースで
御空の上のそのまた上
眉を潜めて少しだけ太陽にご挨拶
そろそろ蝉が鳴きだす頃だ
煩わしいけどそれも蝉への対価
夜には薄羽蜉蝣が光に集まる
彼らは一瞬の命の燈火の中を全力で生きている
これからどんどん暑くなっていくね
倒れたり、膝をつく時があるかもしれない
でも大丈夫
どんな時でも蝉のように、蜉蝣のように、
君はふぅっと息をして命を繋ぐ
ゆらゆらと揺られ転んでしまっても、また立ち上がる足を持っている
この世の一つ一つが今を生きる
この世のすべてかすべてのために生を為す
次に立ち上がる君のために
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます