〜君に僕は謝りたい〜

神社で願い続ける日々を繰り返していた。


そんなある日、君に謝罪をしに行ったのに謝罪をしていない事を思い出した。

その気持ちがとても強くなっていき、伝えたい思いより『謝罪をしたい』と思い始めていた。


しかし死んでる君には謝罪は出来ない。

それが余計に僕を苦しめていた。

それでも僕は謝罪をしたかった。


そんなある日の晩、僕は睡魔に襲われいつもより早く寝床についた。


その日の晩、夢の中に突然君が現れたのだ。

僕は何かの奇跡だと思ったと同時に、君に謝罪を始めた。


まずは仲直りしにきた時の件、そして君が目の前で死んだのに、犯人が分から無い件。

その2つを必死に謝った。


君は『謝罪はしなくていい』と言ってくれたが、僕は謝り続けた。

何度も何度も必死に謝った。


それからどれだけ経っただろうか。

君は呆れた顔をして『そこまでしなくてもいい、こっちこそすまなかった、ごめんな』と呟いた。


その一言を聞いた途端、僕は『許された』と思うと同時に、気持ちに出来ない『安心』が生まれた。

そのほんの少しの間。

それがなんかおかしくて君も僕も笑いだした。


それからは、もう昔の仲の良かった時の様に、ひたすらたわいも無い話で盛り上がった。

そして最後に君が〝じゃあまたすぐ会おう〟

そう言い残して去って行った。


目が覚めた僕はなぜか泣きながら、笑顔が溢れていた。


そんな夢を見た夜から数日後犯人は捕まった。

犯人が罪を認めなかった為に裁判を行なったが、結果は死刑で片付いた。


こうして君を殺した犯人の死で、この事件は幕を下ろしたのである。



そうそう。その犯人が最後に残した言葉を乗せて終わっておこうと思う。

『記憶に無いのに僕が犯人な訳が無い!』

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