待ちぼうけ
雨世界
1 今まで、どこにいっていたの?
待ちぼうけ
プロローグ
信じています。あなたのことを。いつまでも。……今も。これからも。
本編
今まで、どこにいっていたの?
本編
好きな人がいるの。本当に好きな人。それはね、あなたのことです。
初めまして。竹のお姫様。僕は笹野雀って言います。
豊田竹 小学六年生
笹野雀 小学校六年生
竹はよく昔から猫によく似ているね。と周囲の人たちから言われていた。
鏡を見てみると、確かに私は少し猫に似ているかもしれないと、竹はそう思った。(とくに目が猫目というか、確かに猫ぽかった)
ずっと、髪を長く伸ばしていて、ずっと続けている趣味のかけっこのときは、その髪をポニーテールにした。(なんだか、猫のしっぽみたいだった)
短くしようかな、と思ったときも、何度かあったのだけど、(とくに悲しいことがあったときだ)結局、長いままにしていた。(やっぱり、ずっと伸ばし続けている髪を切るのは、とても勇気のいることだった)
竹ちゃんは髪がすごく綺麗だね。って、みんなから褒められた。
竹ちゃんは走っている姿が、すごく美しいね。って、みんなからよく言われていた。
竹ちゃんは美人だよね。可愛いし、髪も長くて綺麗だし、肌の色も白いし、まるで、本当の中世の貴族のお姫様みたいって、冗談で言われることもあった。(竹って名前から、かぐや姫を連想して、竹のお姫様っていうあだ名で呼ばれていたときもあった。そのあだ名は、竹はあまり好きではなかったのだけど……)
実際に竹は教室のクラスメートの男子からよくもてた。
告白されたことも、なんどもあった。(その度にその全部にごめんなさいをして、お断りしていたのだけど……)
そして、それと同じくらい、教室のみんなから、(男子からの告白のたびに)騒がれたり、いじわるされたり、からかわれたりもした。
そんなときはひどく落ち込んだけど……でも、それでもやっぱり小学生時代の竹は幸せだった。(かばってくれる友達がいたし、なによりも、本当に好きな男の子がすぐ近くにいてくれたからだ)
同じ教室の笹野雀くんと一緒の図書委員になったときに、竹は笹野くんから「あの、実は内緒の話があるんだけど、あとで図書委員の仕事のときに、聞いてもらえるかな?」と言われたときに、竹はすぐにそれが笹野くんからの恋の告白なのだと思った。
その日、竹の心臓は笹野くんにそう言われたときからずっと、どきどきしていた。
小学校五年生のときに、笹野くんがこの街に引越しをしてきて、竹のいる小学校の同じ教室に、「初めまして。僕は笹野雀と言います」と言って、転入してきたときからずっと、竹は笹野雀くんに片思いの恋をしていたからだった。
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