第242話 うん、それは私の仕事だからいいの。
通常時間に戻った私はジョマの実況を聞きながら爆散したクロウの中から佐藤、トビー、イク、プールさんを助け出す。
「ありがとう!みんなのおかげで勝てたよ!」
「終わったんですね」
「やったな千歳」
「お疲れ」
「酷え目に遭ったな。でも終わって良かったな!お疲れさん」
4人は口々に死んでログアウトだと思ったんだけどなと言っていたが無視をした。
ジョマは残念そうでもあり、満足そうに私達保守派が勝利を収めたと言っている。
参加したプレイヤーには特別ボーナスでお金とポイント。参加しなかったプレイヤーにもお金が支払われることが発表された。
最後はこの後8/28の0時、セカンドでは12/21の0時からの閉会式も見てくださいと伝えて終わった。
私は先に4人には運営からのお礼がある事を伝えた。
「え?」と驚く皆に「隠しミッションだよ。私達に加担してくれて生き残れたから。プールさん以外の3人は端末機だよね?VR機が渡されるよ。プールさんには運営の偉い人に言っておいたからスタッフとの握手が可能になるよ」と伝えたら皆口々に喜んでくれた。
「ジョマ、よろしくね」
「はいはい。任せて。あまり無理な約束はしないでよね?」
後は助けてくれたけど死んでしまったプレイヤー達にはVR機の人にはセカンドで使う高級お食事券とアイテムを、端末機の人にはアイテムとお金を渡してもらう事にした。
そして4人にはログアウトをして貰う。
よし、ここまではいい感じ。
私は走り出す。
それは勿論ツネノリの所だ。
ツネノリは兜を脱いだメリシアさんを抱きしめて絵になっていたが私に気づくとメリシアさんを離して私を抱きしめてくれた。
「ツネノリ!」
「千歳!」
「勝てたよツネノリ!」
「やったな千歳!」
「完全解決出来たよ!ありがとう!」
「俺こそありがとう!」
間違いなくここまで来られたのはツネノリがいてくれたからだ。
だが本当にツネノリを見ていると私は結婚できない気がする。
これは由々しき問題なのかも知れない。
そしてメリシアさんを見る。
「メリシアさん!ありがとう!!」
「千歳様!やりましたね!」
「うん!あ、ごめんね。ツネノリ返さなきゃ」
「俺は物か?」
「いいんですよ。
今晩2人きりになったら思い切り甘えます」
そう言ってメリシアさんは笑う。
「あ、ツネノリ心臓バクバク言ってるよ」
「!!?言うな!恥ずかしい…」
そして笑う。
「じゃあ、先に行っていて」
「何?まさかまだ何かが残っているのか?」
「ううん。それは終わったよ。クロウが爆散した一瞬の間に神の世界まで行ってきて完全解決もしてきたの」
「何?そんな事があったのか?」
「うん、それは私の仕事だからいいの。そして今からすることも仕事。
すぐに行くから待っていてね。
神如き力…転送。行き先は見えている。ツネノリとメリシアさんを転送」
そう言うと2人は消える。
意識で追いかけると無事に2人は到着していた。
よし、次。
私は意識を集中して瞬間移動をして王様の前に出る。
「王様!」
「チトセ、お疲れ様」
そう言って王様が微笑む。
「うん。王様が居たから勝てたし完全解決も出来たんだよ。ありがとうね」
「いや。チトセが居なかったら勝てなかったよ。お疲れ様」
ニコニコと優しい微笑みで王様が私を労う。
「…」
「…何?」
「王様って戦っていないと優しいね」
「そう?」
「ところで今飛んできたよね?どうしたの?」
「うん、完全解決のご褒美…かな?
神如き力だけど「瞬きの靴」を教えて貰って使っているの」
「へぇ、凄いね。
それ、どこまで飛べるの?」
「王様はやっぱり凄いね。そこに気付くんだ。
ゼロガーデンはジョマに座標を教えて貰った神殿とお父さんとルルお母さんの家。セカンドガーデンは行ったことのある場所。
ファーストガーデンはまだどこにも行けない。
でもゼロもファーストもセカンドも一度行けば行けるようになるよ。
後は神の世界と日本でも使えるよ」
そしてツネノリとメリシアさんを先に送り届けた事を告げる。
「じゃあ僕もそっちに行くよ。カムカとマリオンはどうする?僕が飛ばす?」
「ううん、お礼も言いたいから私がやるね。じゃあまた後で」
「ああ」と言って王様が消える。
よし、次だ。
そして飛ぶと目の前では嬉しそうに模擬戦をしているカムカさんとマリオンさんが居た。
「あ!チトセ!」
「はい。千歳です」
「おお、ツネツギの娘だ!よろしくな!一応聞くけど勝てたんだよな?」
「はい!それで2人は何を?」
「え?ヘトヘトになるまで戦ってからの修行だよ」
「効くんだよなコレが!」
うん、記す者の記録で読んだけど凄い人達だ。
「それで、どうしたんだ?」
「はい、お礼を言いたかったのと私が2人を送る事になりました」
「チトセも送れるようになったの?」
「はい」
「すげぇなツネツギの子供達は」
「いえ、たまたまですよ」
「チトセはこの後どうするの?」
「私はまだやる事があるので、後で合流します」
「じゃあ先に行って待っているね」
「はい。本当にありがとうございました。
お父さんの抜けた穴以上に助けて貰えて…感謝しかできません」
「いいって」
「そうそう、俺たちも楽しかったしな」
「本当ありがとうございます。
じゃあ送ります!」
そう言って私は2人を送る。
無事に送れた事を確認する。
きっと向こうは大賑わいだ。
次に行こう。
順番で行くと次は…。
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