夏を通り過ぎたところで



だんだんと日が短くなってゆくことは寂しい

触れる風が冷たくなってゆくことは寂しい

終わりはいつだって寂しい

だけど

夏が遠ざかっていくのと同時に

冬が近づいてくるのだから

寂しいと思う気持ちより

楽しみに思う気持ちのほうが

大きくたっていいのにね

明るくてあたたかいものに

惹かれるのは人間の本能だろうか

だけど冷たい夜が好きだと言った

あの子もたしかに人間だった


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