ダストボックス

Iris

2人の距離

ノックの音


「そっちにいっていい?」


「また?」


「だめ?」


読んでいた本にしおりをはさんで閉じる


「・・・いいけど・・・」


「・・・嫌いじゃないだろ」


「それは・・・好きだけどさ・・・」


二人でベットに座って


「やっぱり寝室を一緒にしないか?」


「それは、いや・・・いいじゃない、しょっちゅう来るんだし」


「でもな・・・」


ベットに横になりながら


「結婚する時の約束でしょ?」


「そうなんだけどさ・・・」


「生理的に無理なのよね・・・人と睡眠を取るの・・・」


お互いに服を脱がせながら


「ぬくもりを感じるとかさ・・・」


「それは別に寝てる時じゃなくてもいいじゃない」


「ははは、まあね」


「結婚しても適度な距離って必要だと思うの・・・あなたを好きでいられるために」


「おおげさだな」


そっと抱きしめられて


「たぶんあなたもそのほうが私を好きでいられると思うの」


「ん?隠し事でもある?」


「ないでしょ、化粧してない顔だって今見てるんだし・・・あるかな?」


「あるんだ?」


「ないと思うけど・・・」


唇を重ねて


「わたしのわがままだと思って許して」


「そうだね・・・」


「そんな事より楽しみましょう、わたしがあなたを好きでいるうちに・・・」

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