国防長官と偏執狂


 アメリカの国防長官に就任していたフォレスタルは、友人に真に迫ってこう話した。


「イスラエルの諜報部員から付きまとわれている。このままじゃ、何をされるかわからない。どうにかならないものか」


 あまりにも真剣に訴えかけるフォレスタルの姿を見て、友人たちは半ば強制的に陸軍病院の精神科にフォレスタルを連れて行った。

 そこでフォレスタルは偏執狂パラノイアと診断され、強制的に入院させられてしまった。

 しかし、フォレスタルは隙を見て窓から飛び降り、投身自殺をしてしまったのである。

 そして、フォレスタルが投身自殺をしてから少しして、陸軍諜報部にとある報告がもたされた。


“アメリカとアラブ諸国に何か密約があるのではと、イスラエルが考えているようだ。その手始めとして、フォレスタル国防長官の周囲にイスラエルが諜報部員を派遣しているのでフォレスタル国防長官を保護すべきである”

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