発明家オーティスと実験


 アメリカの発明家オーティスは、苦心の末、あるものを発明した。

 それは、突然の事故や災害が起こっても大丈夫なエレベーター。

 一八五四年、ニューヨークでオーティスの発明したエレベーターの実験が行われることになった。

 かなりの高さまでエレベーターが上昇したところで、エレベーターを吊り下げているケーブルを切断するという、命知らず極まりない実験。

 実際にそれは行われ、見事、エレベーターは急速に落下することなく、ゆっくりと安全に降下していくことに成功した。

 エレベーターに乗っていた乗客は、その性能の素晴らしさと、自分の命があることに心から歓喜したそうだ。

 ……まあ、その時の乗客というのは、オーティス本人だけであったが。

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