科学者シェーンバインの秘密の実験


 ドイツの科学者シェーンバインは、とても恐妻家。彼は妻から、

「決して家で実験はやらないでよね!!」

 と、強く釘を刺されていた。

 だが、科学者というものは実験をしてナンボの仕事。

 シェーンバインは、妻が留守にしたすきに、細々と実験を繰り返すことがライフワークとなっていた。

 ある時、妻が買い物に出たすきに、シェーンバインは硝酸と硫酸とを実験でいじっていた。


 その時、硝酸と硫酸の化合液を、誤って妻のエプロンにこぼしてしまった。

 シェーンバインは慌ててそれを拾い上げ、そばのストーブで乾かそうとした。

 すぐにエプロンは乾いたのだが、乾いた途端、エプロンは大きな炎をあげて一瞬にして燃え尽きてしまった。

 呆気にとられたシェーンバインだったが、すぐにそれをヒントにして、ある物質を作り上げた。

 それは何かというと、綿火薬(ニトロセルローズ)。当時使用されていた火薬に比べると、様々な面で優れていた綿火薬は、シェーンバインとその妻を裕福にしてくれたそうだ。ただ、やはり実験はするなと許してもらえなかったらしい。それとこれとは別なのだろう。

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