グッドイヤーとゴム
その昔、ゴムというものは利用しにくい物質とされていた。寒いと固くなり、暑いとべたつく。
一八三〇年代になって、アメリカ人のグッドイヤーは、仕事で失敗し、借金が払えずに刑務所にぶち込まれてしまった。
どうにかして金稼ぎができぬものかと、色々と試行錯誤したところ、何をとち狂ったか、科学の知識などなにもないのに、ゴムの改良に手を付け始めたのだ。
とりあえず硫黄を混ぜてみたが、変化なし。
その時、何かのかげんでストーブの上にゴムを落としてしまった。慌ててそれを拾い上げると、気温に関わらず弾力性を示す、実に好ましい物質が出来上がっていたのだった。
さっそくグッドイヤーは特許をとるも、あまりにも簡単な製造方法なので、無断製造が横行してしまう。
グッドイヤーは、それらの訴訟や、ヨーロッパの宣伝費で金を使いすぎ、一八六〇年に死んだときには、借金はなんと元の数十倍にふくれあがってしまっていたのだった。
だが時は流れ、そんな散々なグッドイヤーの苦労が、死後に報われる事件が起こる。
それは、自動車の開発であり、タイヤにゴムを大量に使うことになり、タイヤの名として、グッドイヤーの名は永遠に残ることになったのである。
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