第2話 噂話に集るハイエナ。


 そんな噂をお金のネタにしたくてハイエナの群れがやって来る。

 俺、風間俊介もハイエナの1匹。

 グーグルアースの衛星写真を投稿していた村の中学生と連絡を取り第六病院の噂もインタビューする。

 第六病院があるこの龍篭村りゅうごもりむらは修験者が拓いた歴史ある村だが若者の都会への流出が止まらない過疎の村。

 一番近い隣町まで車で1時間は掛かる。

 中学生は龍宮寺大介君。

 隣町の茶店タイムで13時に待ち合わせしている。

 先に着いた俺は一番奥の席に座り彼を待つ。


 〈カランカラーン〉

 ドアのベルが鳴る。


 街に出る時は制服で!

 田舎の中学校の生徒手帳通り。

 この子は信用できるな。

 人は狸化してなきゃある程度服装で信用出来る。


「こっちこっち!」

 手招くと走って来る。


 丸坊主頭が愛くるしい。


 さてさて、少しオドオドの田舎の中学生に安心して貰おう。

 飲み物代はお兄さんが持つからと安心させる。

 勿論インタビューの謝礼もあげるとね。


 で本題ね。


 中学校はこの街に通っているんだ。

 遠いね〜。

 自転車で通っています。


 ご挨拶はここまで、で今度こそ本題ね。


 第六病院の話のインタビューを開始する。

 第六病院は明治時代から村と二人三脚で協力し合って長い年月を共に生きてきた事。

 村民の各家で伝承される掟がある事。

 その掟は第六病院の事を口外しない事。

 少年は口外してるけど、今時の子供の慣わしを軽んじる風潮のお陰かな。

 こんな調子で若者は村まで簡単に捨て去るようだ。

 薄情ものばかりのようだけどそうじゃ無く、安心して若者は出て行くらしい。

 それは老人と言えども二十代位の元気さがあり介護など全く必要ない状況だ

 かららしい。

 老人はみんな長寿で100歳越えだらけとの事。

 これにも第六病院が絡んでおり定期的に病院で滋養強壮のお湯に浸かる湯治

 《とうじ》サービスがあるからだとの事らしい。

 最も衝撃的なのは葬式が出ない事で嘘みたいだがもう数百年葬式が行われ

 ていない。

 街に出た若者も老いてくると村に帰って来て若手の老人となるとの事。


 第六病院の存在を秘匿する村の掟。

 異常に元気な老人達。

 100歳越えだらけの長寿村。

 葬式が数百年行われていない。


 こりゃ長寿村だけでもテレビ取材ネタに成り得るのにこの噂の類はネタ的に

 美味しいぞ!

 報告書の筆が勢いずくなこりゃ!


 インタビューの謝礼は割増だな。

 更に割増て少年にお願い事をする。

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