甘い薫りの家 〜俺の家で女子高生が一緒に住む事になった〜

アキノリ@pokkey11.1

第1章 火事って.....え?

第1話 実家の火事

俺の名前は長谷場小五郎(ハセバコゴロウ)、25歳。

顔立ちはそこまでイケメンでは無いが整っていると思っている顔立ちに無精髭。

そして.....なよっとした癖っ毛。

身長173センチと低め。


単身で全てを投げ捨てて東京に上京し。

実家も全部捨てた。

捨てたってのは要は、あんな家に二度と戻るか、的な感じで捨てたのだ。


俺に、もっと稼げ、と煩く。

その割には学校にも行かせてくれず。

挙げ句の果てには借金を押し付けてきやがった。


そんな家に誰が居たいと思う?

借金の総額は100万超えるんだぞ。

そんなクソ馬鹿な事があってたまるかと思いながら.....20歳で家を捨てた。


そして今、25歳になって.....俺は使い古された電気器具の様に。

ブラック企業で働き詰めになりながら.....アパート、会社、アパート、会社、の行ったり来たりを繰り返していた。

そんなある日の桜も咲きそうな感じの3月。


何時もの様に使い古された雑巾の様にして帰って来ると。

俺の部屋のドアが開いていた。

そして.....目の前の部屋の前で女子高生が正座していた。

それから俺を見てくる。


「初めまして。長谷場さん。私.....長谷場さんに会う為にやって来ました。これから一緒に暮らします」


女子高生はそう言いながら顔を上げる。

顔は相当に可愛い.....ってそんな問題では無い。

ちょっと待って。

何がどうなっているのだ。

俺はただただ唖然とするしか無かった。



長谷場小五郎は一人暮らしだ。

そして安物のアパートに住んでいる。

家賃は6万5000円。

一応東京内だが.....俺の様な安月給にうってつけのアパートだった。

だから直ぐに契約して住んだ。


それからブラック企業に拾われ、俺はまるで.....そうだな。

サ○ンの曲の様に.....狼になった会社員の様な感じで毎日を走り抜けていた。

そして.....3月のとある日。

今日も憂鬱な感じで.....帰って来たのだが。

何故か部屋に女子高生が居た。


「.....君.....誰?」


「え?.....あれ?おかしいな.....連絡が行ってなかったですか?私、羽鳥沙穂(ハトリサホ)って言います。長谷場さんのご両親からここに行く様に要望が出て.....」


「知らない。どういう事だ.....?」


実家は捨てたのに.....何がどうなっている?

そんな連絡なんてあの親からは無かった。

思いながら.....羽鳥さんを見る。

羽鳥さんは、そうですか.....、と顎に手を添えて少しだけラフな制服で俺を見据えてくる。

それは良いが何だコイツ.....相当な美少女だな。


茶色ながらもフワフワな感じの髪型。

長髪だ。

そして.....顔立ちはモデルレベル、それから.....唇も潤んでいて、キャンバスの様に肌は白く。

おまけに黒子が1個も無い。

そして細い眉毛に.....大きな目。

化粧していてにしても美人だと思うが.....。


こんな女の子の知り合いは居ない。

それから.....何で俺の両親?

どういう事だ。

俺は捨てたんだぞ。

一体、羽鳥さんは両親とどういう繋がりだ?


「.....実はですね、私.....長谷場さんにお世話になっていたのですが.....知っているか分かりませんが.....その、長谷場さんが火事に遭われまして」


「.....え!?」


「.....それで.....えっと、こっちに頼ってくれと言われたんです」


「.....そんなバカな!?.....俺の実家が?.....そんなニュースは.....」


でもよく考えたら確かに知らず知らずの火事なんて有り得そうな気がする。

何故なら.....火事で負傷者出なかったらニュースにそこまでならなさそうだし。

日本中の範囲を考えると、だ。

それか俺が会社で忙しかったせいなのか?

まあどっちにせよ.....マジかよ。


「.....俺を訪ねろって?俺の親が?嘘だろ」


「はい。だから来たんですけど.....」


「.....って言うか.....俺の実家って九州なんだけど.....というか君の親は?親に許可取ってる?」


「.....私の親は居ないと考えて良いです。.....あんな親」


何だか事情が複雑な感じで複雑な顔をする。

俺は.....盛大に溜息を吐きながら.....スマホで親の電話番号を探す。

そして.....部屋に入ってからスーツの上着を脱ぎ捨て電話したが.....繋がらない。

何だよこれ.....マジに火事に遭ったの?

俺は羽鳥さんを見る。


「.....じゃあ君、帰る当ては無いの?」


「無いです.....」


「.....まさかとは思うが.....この家で暮らすのか?」


「.....はい。そうしろと言われました」


はいそうです。

じゃ無いんだが.....何だよそれ.....。

うちのクソッタレ親もいい加減にしろよな.....。

マジに.....クソだ。

借金の時もそうだけど.....衝撃的なんだが。


一人暮らしの男の家に何だと思ってんだ。

てーか一度しか知らせてない住所をよく覚えていたな。

俺の部屋のアパートの鍵もそうだけど.....よく持ってんな。


何で俺に頼るんだよ。

思いながら.....居ると羽鳥さんがエプロンを着けた。

そして俺に向く。

ヘアゴムで髪の毛をポニテにする。


「.....それはそうと.....居るだけじゃ悪いので.....お料理作ります」


「.....え?いや.....いいよ.....!?」


「駄目です。.....私、お世話になる予定ですから。これぐらいはさせて下さい」


「.....」


俺は止めるが彼女は止まらなかった。

何故、両親が羽鳥さんに俺に頼れと言ったのか。

電話も通じないし分からないが.....火事になったのか実家が、と思いながら。

羽鳥さんとの生活が始まろうとしていた。


俺は.....もう一度ボタンを押してクソ親に電話をするが.....やはり繋がらない。

何がどうなっているのだ。

全て投げやりにしやがって.....うちの親め。

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