【きみと僕のボリボリ】
夏が急にやってきたみたいに暑いからと
手づかみのきゅうりを食べるその仕草を
ボリボリ
と描いてしまうにはあまりにも惜しいくらいに
きみの清々しい「きゅうりが好き」という目
洗いたてのままで水が滴っている指
まだ初夏にもなっていないのにフレンチスリーブの袖口
ぎゅっとまとめたお団子みたいな髪
そういうことを順番に辿っていくうちにそのまんまの
ボリボリ
に近づくかもしれないと
必死になって目を見開いて頭の中はぐるぐるしているけれど
「その顔、まずそうに見える」
と突如不機嫌になるきみの期待に応えるためには
ボリボリ
に集中して僕の言葉たちは脳みその中で散乱して見事に散り果てた
でもそれがこの時間を表すなら
「今 きみと きゅうりを ボリボリ 食べている」
僕の詩はそのまんまでいいんだよ、きっと
<お題:詩>
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