【相棒】

どちらに転んでもとにかくボロボロで

世にいう捨て鉢を地で行くさまは

酒を飲んでも仕事を詰め込んでも

大した心境の変化も無く

態度だけは自信満々なのに

ささくれた神経を真綿でくるみ

自分ですら見て見ぬふりしたその姿を

当たり前のように認め

知ったかぶって頓珍漢なことを言い

それでも不思議とイラ立つこともなく

ワハハと笑って隣にいれば

少しずつ傷が塞がれていき

よくよく聞いてみれば

「同じだったから嗅ぎ分けた」

と片割れらしく隣に立つ


愛なんてものは

ちっともメロドラマなんかじゃなくて

泥臭い日常の中にふいに手の中に現れる

それはまるで奇麗な宝石

気付かないほど自然で振り返って初めて

ああなるほどと気が付くほどに

優しくて甘くて


そして運命的



<お題:運命の出会い>



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