第7話 眠たくて、眠たくて

 ……やられた。

 うとうとしながらもゆっくりと体を起こしてベッドの裾にある時計に目をやれば現在の時刻は午前11時25分。

 確か、帰ってきたのは7時だった気がする……。

 ベッドの傍にある小さな机には動き易いには動き易いが絶対に外に出させる気のない白い群青と青の間くらいの色のナイトドレスと黒い超ロングコートが置いてある。背中に負担が掛からないようゆったりと近付いて服を着て、足元に添えられているスリッパに足を入れる。

 さて……何処に行こうか。……そうだ、久々に資料室へ行ってみるか。

 いつもよりもゆったりとした歩調で資料室へと足を進め、扉を開ければ読書スペースでティアが優雅に読書をしている。


「あ、おはよー愛し子。よく眠れた?」

「お前がやった癖によく言うよ。で、何処まで自由にさせてくれるんだ。」

「屋敷から出ず、無茶をしなければずっと。あ、お風呂は眠らせてからだから!」

「何でだよ……。っ、ぉ、」

「ちょ、愛し子!!」


 長時間眠った所為だろう。

 1度扉周辺で歩を休めてからまた歩き出そうとすれば急に左足の力が抜けてバランスを崩し、慌てて駆け寄ってきたティアに抱き支えられるがティアの魔力が暴発して今度は意識が全身の力と共に薄くなっていく。

 ぅ、ねむ……い……。


「わ、ちょ💦愛し子、貴方外で何してたの!?こんな、こんな短時間で私の力にこんなに簡単に当てられるなんて……ま、まさか愛し子、体調崩してるんじゃないでしょうね!?あ、ちょ、愛し子!!まだ話は終わってな、ちょ、しっかりしなさい!!ね……!!―――!!」

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