木に囲まれている。


ざわざわと葉っぱの擦れる音がする。


うるさい。


複数の視線を感じるが周りにはもちろん何もいない。


逃げようと走り出すが音も視線も消えない。


むしろ音は大きく、視線は多くなっていく。


木のない所へ早く。


しかし、どんなに頑張っても森からは抜け出せない。


力尽き寝転がる。


もういいやと目も閉じる。


どんどん何かが迫ってくる。


事態は悪化しているようだ。


しかし、もう僕には気づかないふりをすることしかできない。


諦めよう。それがきっと一番だ。

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