これは誰かの夢日記
俄雨 無比偉
序章 おやすみなさい。はじめまして。
「……………はぁ。」
12月21日、22時。
疲れきった体をベッドに沈める。
今日は1日を通して、高校で所属しているバレー部の練習だった。
疲労で体は石のように重い。
谷津 秋人、17歳。
趣味は読書。彼女はいない。
スクールカーストの真ん中より少し下に位置する、どこにでもいるような平凡な高校生。
それが秋人だ。
「…もう寝るかぁ。」
いつもならここから本を読むのだが、今日はもう休むことにした。
疲労がピークだったのか、目を閉じて数分で眠ることが出来たようだ。
今日もお疲れ様。おやすみ。
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さて、ここで訂正しなければならない。
確かに秋人は総合的に見ると平凡な高校生だ。
…ある1つのことをのぞいて。
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意識が飛んで暫くした後、
どうやらいつものように夢を見始めたようだ。
…秋人は少し前から、おかしな夢を見る。
いくつか特徴がある夢だ。
1つ目。
夢を夢であると自覚していること。
いわゆる「明晰夢」と呼ばれるものなのだろうか。
夢の中で、ある程度自由に動くことが出来る。
2つ目。
体がなぜか他人であること。
この夢はいつも、秋人ではない誰かの朝から始まる。まるで、自分の魂がその人に乗り移ったかのように。
夢の中で、誰かになる。
今日はどんな人だろう。
はじめまして。
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