永遠の絆

アカサ・クジィーラ

永遠の絆

永遠の絆

第一幕 偽の人狼  

1場 始まり

直也⇨ (ずっと待っている)遅い、遅すぎる。

悠⇨まあまあ、落ち着いて。

直也⇨待ち合わせ時間には5分26秒前行動だろ?

悠⇨細かっ!

(4人入る)

朱莉⇨ごめーん、遅れちゃった。

燈⇨ほんと、ごめん。

直也⇨遅すぎるよ!!

燈⇨父さんからバレずに出てくるの難しいんだから。

凛⇨それは大変だね?

燈⇨ほんと、大変なの。 

直也⇨それは仕方ないか・・

凛⇨ねえ・・大人になんか、言った方が良かったんじゃ?

直也⇨大丈夫、大丈夫。俺たちはもう大人だぜ。

凛⇨そう・・・

樹里⇨あ、由寿がきた。

(一人入る)

由寿⇨ごめん、少し遅れちゃった。

直也⇨お、由寿!なぜ、遅れたんだ?

由寿⇨実はね・・ついさっき、子猫が車に轢かれようとしてて、それを助けようとしたの・・・(直也 それでどうしたの?)・・そこで、目が覚めたの。


直也⇨いや、結局寝坊やないかい。でも、寝ることは大切。Here we go‼︎

由寿⇨は?・・・

朱莉⇨あ、そういや、ずっと前々から聞きたかってんけど、由寿さ、そのペンダントってなに?


由寿⇨えーと、ダイヤモンドのペンダントだよ。

朱莉⇨ダイヤモンド!! それって・・

由寿⇨1億はあるんじゃないかな。

朱莉⇨そんな、簡単に言うけど、普通は買えないよ。

由寿⇨あら、そうなの?

朱莉⇨そうよ。

由寿⇨でも、この鉱石の石言葉は・・・何だっけ?

朱莉⇨覚えてないのかよ。

直也⇨おい、お前ら、さっさと肝試し、行くぞ!!

悠⇨フッ、絶対に幽霊なんか、いないんだから。

樹里⇨幽霊はいるもん。私、会ったもん。

燈⇨本当に?

樹里⇨本当だよ。

(ガヤガヤしてきた)

直也⇨(手を叩く)おい、俺たちは、この屋敷で肝試しに来たんだぞ。雑談をするな。

全員⇨(満面の笑み)はーい

直也⇨なんだよ・・お前ら・・

(少しガヤガヤしながら、ドアを開け、入る)

朱莉⇨うわーー広―い。

(ドア、閉まる)

悠⇨え・・(ガチャガチャ・・開かない)開かない・・

樹里⇨え、何で?

燈⇨貸しなさい。(思いっきりガチャガチャする)え・・何で・・

直也⇨こりゃ・・閉じ込められたな。

朱莉⇨何でよ、おかしいでしょ。こんなの。(雷の音)

樹里⇨きゃ!

悠⇨大丈夫?

樹里⇨うん。

凛⇨ねえ、奥に行ってみては・・?

直也⇨まあ、それも良いな。

朱莉⇨やばいやばいやばいやばい・・・

直也⇨朱莉、大丈夫か?

朱莉⇨この雰囲気、ゾクゾクするーー。

直也⇨あ、大丈夫でないな。

(全員、脱出する方法を考える)

執事⇨どなたでしょうか?

直也⇨!?

燈⇨あ、え、ごめんなさい。少し散歩してたら、この館に迷い込んで〜入ってしまったら、ドアが閉まって・・ここから出る方法を知りませんか?

執事⇨さあ、出られるでしょうか?

樹里⇨え?

執事⇨だって、君達の中に人狼が1匹迷い込んでいるのですもの。

全員⇨(顔を見せ合う)・・えーーーーー!!

執事⇨まあまあ、落ち着いてください。私はこの館の執事をさせてもらってます、倉野創士です。

燈⇨くら・・の・・さん?

執事⇨はい。

直也⇨そんな・・ここから出られないなんて・・・

執事⇨唯一、ここから、出る方法がありますよ。

直也⇨え、それは・・

執事⇨人狼ゲームです。

直也⇨はあ? おい、どういうことだよ。(透明な壁にぶつかり、倒れる)え・・

執事⇨皆さんの脳内に、自分の役職が思い浮かんだと思います・・

朱莉⇨え、役職・・確かに思い浮かんできた・・・私は・・

執事⇨あーダメですよ。今は口外しては。大事な役職ですから。

燈⇨え・・あ、はい。

執事⇨はい、では、ルールを説明させて頂きます。まず、ゲームの勝利条件です。人狼を全員、捕らえるもしくは、この屋敷からの脱出が村人側の勝利です。逆に、村人側全員が捕まると、人狼さんの勝利です。

悠⇨はあ・・

執事⇨次に役職についてです。人狼1人、村人3人、霊媒師一人、預言者1人、狂人1人です。

朱莉⇨ふーん。

執事⇨人狼は夜ターンに行動することができ、固有スキル「隠密」で他の皆様を捕らえるでしょう。ただし、昼ターンは何も行動できません・・あ、ターン替えは鐘の音で知らせます。

燈⇨・・・

執事⇨次、狂人は人狼の手助けが出来ます。ただ、人狼サイドからも狂人サイドからも、誰が人狼で狂人なのかわかりません。次、預言者は夜ターンに一回、一人だけ他の人の役職がわかります。ただ、狂人だけはわかりません。次、霊媒師はすでに捕まった人間の役職がわかります。これは狂人もはっきりします。

燈⇨長い・・・

執事⇨最後に村人、特に何もない無能ですが、たまに固有スキルを持った村人がいます。村人は怪しいと思えば、すぐに捕らえることができます・・あ、昼ターンになったら、会議室に来てくださいね。

燈⇨長すぎ。そんなゲームせずに、早くここから出してよ。

執事⇨このゲームをすれば、出られますが・・・

燈⇨う・・もういい、やればいいでしょう。やれば・・

直也⇨あの・・捕らえられると、どこに行くんですか?

執事⇨え・・あ、捕まれば、この館の地下にある牢屋に入ります。

直也⇨ありがとうございます。

執事⇨では、始めましょう(鐘の音)

3場 犠牲者?

悠⇨ここが会議室だな。(入る)お!みんな!あれ?直也は?

燈⇨知らない。

朱莉⇨知らない。

樹里⇨知らない。

由寿⇨知らん

凛⇨知らないですわ。

悠⇨あ、捕まったな。

朱莉⇨いい奴だった・・・。

悠⇨ということは、昨日は人狼が働いたというわけか。早いな。

燈⇨とりあえず、預言者と霊媒者は誰よ?

朱莉⇨あ、私、預言者。

由寿⇨フム。

悠⇨あまり言いたくないが、霊媒です。

燈⇨なぜ、言いたくないのよ。

悠⇨いや、人狼に白陣営ってすぐバレるじゃん。

凛⇨あの・・・

樹里⇨どうした?

凛⇨私・・預言者です。言いそびれてごめんなさい。

燈⇨まさか・・・預言者二人?

悠⇨他に誰も出てこないということは・・・僕は確定白陣営なんだな。

燈⇨そうみたいね。

由寿⇨じゃあ、悠がみんなを引っ張ってよ。

悠⇨もちろん・・・じゃあ、次の夜は、樹里を占ってもらおうか。

樹里⇨え・・まあ、白なんで別にいいですけど・・・

朱莉⇨うんわかった。

凛⇨うんわかった。

(鐘の音)

4場 真の犠牲者

樹里⇨ねえ、預言の結果どうやった?

悠⇨そうだな。朱莉、凛、同時に・・・ってか、朱里は?

執事⇨本日の捕まえられた人は朱莉さんです。

悠⇨マジで・・・ということは・・・

樹里⇨一応、聞いてみようよ。

悠⇨まあまあ、一応、聞いてみようか。

凛⇨白・・

悠⇨ん?白?

樹里⇨じゃあ、凛ちゃんは白ね。

悠⇨いや、そういうことは無い。

燈⇨何で?凛が樹里を白って言ったから、白でしょ。

悠⇨あのさ、預言者は二人出ていて、その内朱莉が捕まった。

燈⇨うん。

悠⇨もし、朱莉が狂人なら、人狼に捕まらないはずだよね。

樹里⇨まあ・・

悠⇨だから、凛が白でも狂人の可能性があるから、白ではなく、グレー、ということになる。

燈⇨ということは・・・

悠⇨いや、次の夜で、俺が朱莉を霊媒すれば、良い話だ。

燈⇨そうか・・・

樹里⇨あ!そうだ!この屋敷からの脱出のことは?

悠⇨そうだった。村人の勝利条件はここからの脱出もあるのか。

燈⇨ふふふ、はははは!!

悠⇨お、どうした?さては人狼か?

燈⇨違う!(日記を出す)これこれ。

悠⇨お、これは村人案件だな・・ってか。早よ、出してくれたらいいのに。

燈⇨でしょ?悠に会う前に見つけたの。

由寿⇨さ、見せて見せて。

燈⇨待って。読むよ。「はこのにただあるにヲれようとしたらかなかったはにいのをいてみたそしたら」

悠⇨おい・・・絶対違うだろ。貸してみ。

燈⇨(渡す)

悠⇨おい、ひらがなだけ読んでどうするんだ。

燈⇨てへ。

悠⇨仕方ない。俺が読む。「大正4年4月4日 僕はこの屋敷に来た団十郎だ。ある日、郵便ポストに手紙を入れようとしたら、開かなかった。僕は不思議に思い、屋敷をのぞいてみた。そしたら狼がいた・・・」あとは書かれてない。

凛⇨何これ・・

燈⇨そんなこと書いてあったのか。

悠⇨(日記をパラパラすると、鍵が落ちてきた)あ!鍵?

(鐘の音)

5場 真実の道しるべ

(みんな、入ってくる。遅れて悠、が入る)

悠⇨みんな、わかったぞ!凛は狂人だ!

燈⇨え〜なんだって・・(凛からはける)

凛⇨・・・

悠⇨ということで凛を・・(日記に気づく)それってなんだ?

凛⇨前の夜の時に・・直也が・・・

燈⇨え?あいつ、生きてるの?

悠⇨やっぱりか・・

樹里⇨え?どういうこと?

悠⇨俺は直也が生きてると2ターン目の昼で気づいた。

燈⇨何で?

悠⇨だって、あの執事が「本日の犠牲者は〜」って言わなかったからさ。

樹里⇨さすが、天才中学生探偵!

悠⇨ふ、どうや。

燈⇨その性格を直してくれたらな・・・

悠⇨ん?なんか言ったか?

燈⇨いーえ。

悠⇨さ、僕が読むから、貸して。

凛⇨いや。

悠⇨貸して。

凛⇨いや。

悠⇨貸さないで。

凛⇨いや。

悠⇨はい、引っかかった。

凛⇨あ・・(渡す)はい(なぜか笑みを浮かべる)

悠⇨ん?何々。(日記を読む)「俺は直也、今、この館の地下にいる。人狼会議に出ていなくて、すまない。俺は、この館の真実を知るためにこの館の奥に向かう。そして、たまたま、凛に会ったので、この日記と鍵を渡しておく。その鍵は、地下牢の鍵だ。地下牢に捕らえられている朱莉を助けて、ここから、早く脱出するのだ!」

燈⇨何よこれ・・

悠⇨この手紙、なんだよ。直也を置いて、ここから、出ろって・・

樹里⇨助ける?

悠⇨ああ、もちろんだ・・・出るのは全員じゃなきゃダメだ。

燈⇨直也は地下の方に行ったから、朱莉をたすけてから、直也の元へ行ったら?

悠⇨もちろん、そのつもりだ・・・さあ、みんなが、ここから脱出するぞ!

一同⇨おー!

由寿⇨おー・・・

(鐘の音)(狼の音)

(悠以外、先に地下牢に着く)

樹里⇨ここだよね?地下牢。

燈⇨鍵がかかっている・・

樹里⇨これは・・・4桁の暗証番号がいるね。

燈⇨暗証番号?

由寿⇨んーー?何だろう?

樹里⇨・・?あ!4649じゃないの?

由寿⇨4649?どう言う意味だい?

樹里⇨よろしく!

燈⇨はあー・・・

凛⇨(暗証番号、 4649を打つ)(開いた)あ・・

燈⇨えーーマジで開いた!?

樹里⇨えっへん。どうだい?私の力は。

由寿⇨すごいね。

燈⇨さあ、奥に行くよ。

燈⇨・・・あ!朱莉!

朱莉⇨(はじでブツブツ)

凛⇨朱莉ちゃん。

朱莉⇨あ!みんな。

燈⇨朱莉、今から開けるからね。って、どうやって?

由寿⇨鍵がいるね。

樹里⇨悠が持ってる鍵じゃない?

由寿⇨あ、その可能性が出てきたな!

燈⇨まじか・・悠、はやく来〜〜い

悠⇨すまなかった。少し迷ってしまった。

燈⇨もう、遅い。

悠⇨ほんまにごめん。

朱莉⇨あの・・早く開けてもらえません。

悠⇨あ、朱莉。悪かったな・・(鍵、開ける)

朱莉⇨ありがとう。

悠⇨次は、直也。

朱莉⇨へえー、直也、生きてたんだー。

燈⇨え・・朱莉、さらに怖くなってない?

朱莉⇨そんなことないよ。

6場 真実  

直也⇨(ある書物を見ている)まさか・・・

執事⇨何を見てますか?

直也⇨!?

執事⇨ここに来てはダメですよ。

直也⇨お前は一体、何者だ。

執事⇨この屋敷のしt

直也⇨お前は人狼だろ?

執事⇨・・・

直也⇨なんか、反応しろ!

執事⇨・・感の鋭い村人さんは嫌いだね。

直也⇨は?

執事⇨そうだよ。私が人狼さ。

直也⇨みんなを食らうのか?

執事⇨まあね。

直也⇨!?・・やめてくれ!あいつらは大事な仲間なんだ。だから・・食らうなら、俺だけを喰らえ!

執事⇨まあ、私は良いですけど・・私の子が許してくれますかね?

直也⇨どう言う意味だ。

執事⇨さあ。

(みんな、入る)

悠⇨直也!

直也⇨みんな!なんで・・

朱莉⇨由寿が・・由寿が・・・

直也⇨なんだ?

悠⇨由寿が、人狼になったんだよ。

執事⇨今宵は赤き満月、我が娘が暴れまわるでしょう。

直也⇨・・まさか・・

悠⇨どうした?

直也⇨今すぐ、逃げろ!!

悠⇨え・・何で?(手を掴み、逃げる)ちょっ。

(はける)

執事⇨我が娘よ、彼らを絶望に・・・ふふ。

(はける)

直也⇨みんな、大丈夫だったか?

燈⇨あ!直也、由寿ちゃんを・・

直也⇨・・由寿には悪いが、ここから出よう・・

樹里⇨なんでよ?由寿は友達でしょ?

直也⇨今の由寿は・・(狼の声)・・もう変わってしまったんだ。

一同⇨・・・

悠⇨みんな・・・

燈⇨由寿、ごめん。

悠⇨出るしかない・・(玄関ドアを開ける)(小鳥のさえずり)

直也⇨ああ。

燈⇨由寿・・・

朱莉⇨これから、どうするの?

悠⇨とり合えず、街に戻るぞ、こんな屋敷から早く離れよう。

直也⇨ああ、そうだな。

(徐々にはける)

執事⇨あなたたちは運が良かった、この屋敷から出られたのですもの、でもね、いつかはあなたたちを・・・ふふふふ


                               続く...

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