人間転生モノ語リ

りたろ。

前生 ~死にざま~

           俺は人間に嫌われた生き物。


          俺に名前なんてものは存在しない。


名前があるやつなんてほんの一部、魔族の中でもほんの一握りのやつ。


俺は、俺たちは俗称でしか呼ばれない。


俺も名前で呼ばれてみたい。こんなことを考える仲間は誰一人としていない。


そもそも仲間なのかもわからない、他の奴らは人間の街をおそい、オスの人間は皆、殺してしまう。そしてメスをさらい手足を切断するか手足を杭で壁に打ち付け何発か殴っているうちにメスは泣き出し助けを乞う。俺たちに人間の言葉はわからないがその姿が実に滑稽らしい。


仲間たちは皆笑っている、それが飽きたら服を剥ぎ凌辱の限りを尽くす。


他の奴らにとっては楽しいらしいが、俺はこの行為すべてに対して吐き気がする。なぜこんなことができるのか。できることならほかの奴らすべて殺してやりたい。


そういえば、どこかで聞いた噂だが人間のとてつもなく強いやつが魔族の王を倒そうとしているらしい、その名前はユウシャというらしいが俺には全く関係のないことだ。それでも人間に生まれてみたかった、一人一人に名前があるなんてうらやましい限りだ。

なんだか俺たちの住処の入り口が騒がしい、、、どうやら人間が攻めてきたようだ。

そりゃそうだ、人間の街を襲っているのだから、、はぁ、どうやら俺もここで殺されてしまうみたいだ。特に戦う気もない。


だって人間のやつすごい強そうだし、、、


どうやら住処出入り口すべてに火を放ったみたいだ。


もうすぐ俺の命が尽きる、最後に俺たちが何者なのかだけ教えよう。


             人間に嫌われた俺たちを、


             人間はゴブリンと呼ぶ。

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