第18話友里とのドライブでの衝撃

水田君が実家に帰った後、1ヶ月ぶりに友里と会う約束を取り付け、ドライブに行くことになった。


友里の自宅の近くまで車で迎えに行き、房総半島の外房を巡って、犬吠埼に行った。


久しぶりに会う友里は水田君との葛藤の影響もあったかもしれないが、とても魅力的に見えて、犬吠埼の灯台の階段を彼女に続いて上っている時なんて、後ろから抱き締めたい衝動に駈られるほどだった。実際にはそんなことはできないので、自分を抑えるのは辛かったけど。


彼女に会ってから夕方までは、水田君どころかスキー旅行の話も出なかったし、彼女はそんなに彼のことを気にしてなかったのかな、僕が勝手に妄想していただけだったのかなと少し安心した。


後は彼女の地元で夕食を食べて、気分良く帰るだけだなぁと呑気に思っていた時、僕にとって衝撃的な出来事が起きたのである。


それは、彼女と海の近くのレストランで夕食を食べていたとき、当日初めて水田君の話題を友里から振ってきたことから始まった。


最初はスキー旅行が楽しかった旨の話から始まって、唐突に「彼はハンサムだよね?」とはにかみながら彼女が言ったのだ。


僕は人のことを貶せるほどの容姿ではないが、水田君のことをそこまでとは思って居なかったので、彼女の言葉は彼に対する最大級の好意だと受け止めてしまい、僕にとっては衝撃的な言葉であった。


僕は、あまりの衝撃に曖昧な返答しか返せず、友里はやっぱり水田君のことをかなり好意的に見ていたのだなぁと改めてショックを受けたのであった。


僕は動揺が治まらないなか「そういえば彼は実家に帰ったんだよ」と友里に伝えると、彼女は残念そうに「彼は何で?帰っちゃったんだろうね」と返してきた。


その後、僕は彼女とどのような会話をしたか覚えていないほど動揺し続けていた。多分、顔にも出ていたと思うが、友里からは特に何も言われなかった。


楽しかったドライブの最後に僕をどん底に落とす出来事があり、帰りの道中この精神状態で事故を起こさなくて良かったと後から思うほどであった。



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もしかしたら、二人は両想いでうまく付き合えたかもしれなかったのに、僕は二人の邪魔をした「馬に蹴られて死んでしまえ」野郎だったのかと思うと、今となってはどうしようもないが苦い思い出でもあります。







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