私にとっての光 上

僕は、放課後になると

早速山岸さんに謝るために

山岸さんの元に向かおうとした‥‥‥が、


僕は彼女‥‥‥山岸奏の表情を見て彼女の元へ進めていた足を止めた。


どうしたんだろう?凄い思い詰めてるような‥‥‥


彼女は強張った表情を保った状態で席を立ち、そのまま教室から出て行ってしまう。


しかし、机に荷物など置いていったまま‥‥‥


なんか、凄く嫌な‥‥‥予感がするっ!!



気付けば僕は山岸さんの後を追っていた。


廊下に出ると、既に人で溢れていた。


この時間帯は、すぐに家に帰宅する者、部活に向かう者が皆一斉に動き出す‥‥‥帰宅ラッシュ、いや名付けるなら放課後ラッシュなのだ。


ボッチ生活を送ってる僕は、


いつもなら迷わずこの人混みに


揉みくちゃにされながら帰っているところだが、


今日は山岸さんに謝るためそれが出来ない。



僕は、立ち止まって辺りを見回す。

すると右側の階段に向かおうしている山岸さんの姿が目に入った。


僕は、目の前の人混みを掻き分けながら山岸さんの後を追う。


彼女はそのまま、階段を下へ降りていく。


どこへ向かうのだろう?ここは、第一校舎の4階‥‥


ここを降りても、他学年の教室ばかりがあるだけ‥‥


他学年の人に会うのなら、荷物を態々全部置いていくだろうか?


階段を降りると彼女は、3階から屋上へと出る。

この階には、第一校舎と第2校舎を繋ぐ屋上が存在するのだ。


第2校舎か‥‥確か、音楽室や理科室それから・・・


そこまで考えると僕は彼女を足を止めてある一人の顔を思い浮かべる。



中山武蔵(なかやまむさし)――――――そういえば僕があの犯人探しで手を上げたとき


《お、お前が今朝のをやったのか‥‥?》


あの時の中山の表情は強張っていた‥‥‥それに、あんな見るからに動揺するだろうか?


もしかして、アイツは――――――っ!!‥‥山岸さんが、危ないっ!?


僕は、立ち止まっていた足をとある場所―――――体育準備室に向けて、駆け出す。


頼む‥‥‥間に合ってくれっ!

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