569.魔導トロッコお披露目終わり
魔導トロッコの試乗会はつつがなく、村まで戻って終了した。何事もなく良かったな。
俺達は今、村の入口にいる。
最後に特使の人を見送って一連のイベントは完了である。
俺と特使は握手を交わす。
「議会にくれぐれもよろしく伝えてくれ」
「はい、こちらも貴重なお時間を頂き、ありがとうございました」
「これからもお互い手を取り合い、発展していこう」
「まさに……! お互いに協力し合いましょう!」
ステラがすすっと細長い包みを持ってくる。
「こちらはお土産になりますが……」
「ステラ様……痛み入ります! ずいぶんと大きいですが、重くはありませんな」
「ぴよちゃんが大好きな草だんご、私が大好きなバットの盛り合わせセットです……!」
「ほほう! ありがとうございます!」
特使はお土産に疑問は持っていないようだな。
まぁザンザスでも、ぴよぬいぐるみとステラグッズが標準的なお土産みたいだし……。
やはり……まぁ、慣れているのであろう。
なお、この組み合わせは村に来る商人や貴族への標準的なお土産セットである。
こうしてお土産を持って、特使の人は帰っていった。
今日から暫定的に魔導トロッコの運転が始まる。
線路も順次のばしていく予定だ。
輸送の成果は徐々に現れてくるだろう。
◇
夜、リビングでのんびりと俺は休んでいた。
「ふぅ、何事もなく終わったな……」
「よかったぴよねー!」
「一安心なんだぞ」
ディアはテーブルの上で羽をぴこぴこと動かしている。さっきのレバーとスイッチを操作する動きだな。
「またやりたいぴよねー」
「ウゴ、楽しかったみたいだね」
「そうだな、色んなことをやるのはいいことだからな」
そこで俺はカレンダーを見た。
もうそろそろ、南の国へ行く頃だ。着ぐるみとか他の荷物も確認しておかないとな。
「ぴよ。南にはレバーやボタンはどうぴよね?」
「……魔導トロッコですか? こちらよりは多いかもです」
「へー、そうなんだぞ?」
「農業も漁業もあまり期待できませんからね」
「必然、鉱業を目指すわけか」
「それなりに産出していたはずです」
それを聞いて、ディアが楽しそうに羽を広げる。
「ぴよ! レバーとボタンはおまかせぴよよ!」
……お、おう。
マルコシアスもわふっと頷く。
「いざとなったら母上と兄上がいるんだぞ」
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