ロケーションFー3 たこ①
【登場人物】
坂本 章(15)……学生
佐倉 菜花(16)……高校生アイドル
朝倉 桜子(41)……社長
鮎川 まりな(27)……崖っぷちアイドル
水森 あの子(17)……高校生アイドル
権藤 権之助(48)……監督
須磨 たすき(23)……かなり有名なAV女優
釈 蜂蜜(20)……そこそこ有名なAV女優
片岡 冴子(39)……客室乗務員
秋山 菜乃花(7)……小学生
田中 中(20)……アシスタント
客室乗務員A(23)
客室乗務員B(22)
【あらすじ】
権藤監督は本格的な映画制作をすることになった。
ロケ地は、大阪。集まったのは、男3人と女10人。
構想30分、撮影12時間。雑に思えるが、そうでもない。
そこはさすがの鬼才。ただし、有能な田中をフル活用しなくてはならない。
シーン1。みんなでうどんを茹でる。
そして、うどんゲーム。
男女がうどんの両端を加えて、つるつる食べ合う。
切れずに食べ切ると、自然にキスすることになる、斬新な遊びだ。
出演者に男は坂本くん1人。
坂本くんは女優7とキスをした。
しかし、8人目の佐倉とは、キスできなかった。
そして、9人目に指名されたのは、たすきだった。
何を隠そう、たすきはAV界で2番目にキスが上手い。
◯大阪・マンション・屋内
キッチンには大きな寸胴とざるが並ぶ。
食材は長いうどんだけ。
(ナ)「鬼才、権藤監督。まともなはずがない」
田中「坂本くん、はじめるよ」
坂本くん「はい。段取りは分かりました。よろしくお願いします」
権藤「よし。うどんのシーンだ」
坂本くん「えっ、いきなりですか」
田中、うどんを1本茹でる。
茹でたうどんが丼に盛られる。
溢れそう。
坂本くん「1本でこのボリューム。すごいよ」
あの子「坂本くん、トップバッターは私よ」
坂本くん、うどんの片端を咥える。
逆の端を咥える、あの子。
権藤「よーいぃ。スタッ」
カメラがまわりだす。
ゆっくりとうどんを喉に通す、坂本くん。
必死になって食べる、あの子。
キスをする、2人。
たすき「何コレ。全然エロくないわ」
蜂蜜「そうですね。むしろ清々しい」
たすきと蜂蜜を見る、権藤。
その目が光る。
権藤「よし。次は、客室乗務員Aさん。お願いします」
客室乗務員A「はいっ。がんばります」
坂本くん「よろしくお願いします」
カメラの前、うどんが徐々にピンとなる。
坂本くんと客室乗務員Aが少しずつ近付いていく。
キスをする、2人。
たすき「何コレ。胸が苦しい」
蜂蜜「そうですね。キュンキュンします」
権藤、両目を光らせる。
権藤「次は、最年少。行ってみよう」
菜乃花「(溌剌と)はいっ。よろしくお願いします」
坂本くん「いいの。途中で切ろうか」
菜乃花「(凛として)そういうの、良くないと思います」
坂本くん「でも、ファーストキスになっちゃうんじゃない」
菜乃花「(誇らしげに)心配無用。何度もビジネスキスをしてるわ」
田中「秋山菜乃花ちゃんは、有名な子役ですから」
菜乃花「田中さん。子役じゃないわ。女優よ」
田中「失礼しました」
坂本くん「じゃあ、遠慮なくやらせてもらうよ」
顔を真っ赤にする、菜乃花。
菜乃花「私、坂本くんとは、仕事じゃないからね」
坂本くん「えっ」
権藤「(間をおかずに)よーいぃ。スタッ」
キスをする、2人。
キスをする、坂本くんと冴子。
キスをする、坂本くんとまりな。
キスをする、坂本くんと客室乗務員B。
キスをする、坂本くんと桜子社長。
たすきと蜂蜜、目を次第にハート型にしていく。
ほくそ笑む、権藤。
田中「8人目。佐倉菜花さん、お願いします」
さくら「はい。いよいよね」
坂本くん「そうだね。楽しもう」
2人、顔を見合わせる。
たなか、合図をおくる。
つるつるとうどんをすする、さくら。
途中で切ってしまう、坂本くん。
さくら「なっ。何でよぉ、坂本くん」
坂本くん「ごっ、ごめん、ごめん」
坂本くん(M)「あれ。台本通りのはずなのに」
(ナ)「実は、台本は出演者1人ひとり違っていた」
たすき「なに今の。涙が止まらない」
蜂蜜「私も。キスできないことが、こんなに苦しいだなんて」
権藤「いい流れができたぞ。次、たすき」
たすき「はいっ」
たすき(M)「2番目の実力、見せつけて、あ・げ・る」
会場が鎮まりかえる。
======== キ リ ト リ ========
坂本くん、主役じゃなくてもこの活躍。羨ましいですね。
今日はうどんの日です。
いつもありがとうございます。
これからも応援よろしくお願いいたします。
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