第1167話 シグレから語られた真相
サシャ副組長が人数分のお茶を淹れて部屋に戻ってくると、シグレはしっかりと決意を固めたようでスオウとサシャに向き直り口を開き始めるのだった。
「私がここに来た理由は、旅籠町が『
あれだけ『
「『
スオウは『旅籠町』を『
「はい。情けない話ですが私は襲撃をされた時に『
徐々に言葉が途切れていく様子のシグレを見て、どうやらこの後話す事が彼女の中で一番辛い部分なのだと気づくスオウとサシャは、言葉を挟むような真似をせずにシグレが話し終わるのをじっと待つ。
「我々『旅籠町』に派遣されていた護衛隊のた、隊長。よ、
悔しい思いと共に蘇って来る悲しみや怒りの感情を必死に抑え込みながら、ぽろぽろと大粒の涙を流しながらスオウ組長とサシャ副組長に真相を必死に話すシグレ隊士であった。
「『
信じられない言葉を聞いたスオウは、隣で同じように驚いているサシャと顔を見合わせる。
(おいおい、総長達は『
本来『
過去の残して来た功績も中々素晴らしいものがあるが、それ以上に最高幹部の組長達から見ても、コウゾウがその気になれば直ぐに『
前回の武力戦争スレスレになった事件でさえ、飛ばしている間諜からの報告にいち早く動きを見せたミスズが、組織の総隊長であるシゲンに『今すぐに
それも仲間の『
(そうだったのか。彼女はコウゾウ殿を仕事上の関係以上に信頼や敬愛を抱いていて、それで『
忘れたい事を考えないようにすることは時間が掛かる。しかし彼女は報告という義務を全うする為に、一時的に忘れたい事を箱に詰めて蓋をするに留ませる事しか出来なかった。いつ開かれるかもわからないその感情の箱を抱えて来たところに、その箱をあっさりとぶちまけられたのだ。
スオウはシグレの気持ちが痛い程に伝わってくるのを感じたが、慰めるという気持ち以上に彼女の為に自分が手を差し伸べなければという気持ちを抱くのであった。
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