第1112話 副総長ミスズが見せる、本物の笑顔
「『妖魔山』の『禁止区域』内の一件は、日取りが決定次第またこちらに遣いを送る。連絡が行った後に直ぐに行動が出来るように準備だけは整えておいて欲しい」
シゲンがそう言うとゲンロクとエイジも同時に頷きを見せる。二人の同意を確認した後にシゲンは、隣に居るミスズに視線を送るとミスズも分かっていたようで、直ぐにシゲンに視線を合わせた後に前を向き直る。
「それでは今回の会合内容を検めさせて頂きます。前回と今回の『
最後の一文を読み上げる時、副総長ミスズは眼鏡をくいっとあげながら射貫くような視線で、ゲンロクとエイジの両名を睨みあげるのだった。
ゲンロクはそのミスズの視線を外すように少しだけ目線を下げたが、エイジは真っ向からその視線を受け止め続けていた。
「以上の内容が『
少しの間を取った後にミスズが会合を締めるように挨拶を告げると、思いつめた表情を浮かべながら、ゲンロクが口を開くのだった。
「今後はこのような事のないように、次の長となる者をしっかりと見定めて行きたいと思う。今回の一件は誠に申し訳なかった」
制裁内容を検めた『
エイジは自分が居た時代の『
自分が所属していた時代、その『
『イダラマ』や『ヒュウガ』。その『ヒュウガ』に付き従っていた『ヒュウガ』派と呼ばれる者達が、この場から去ったことによって、これまでの組織の権威を笠に着て誇示をする者達は目立っては見られなくなったようだ。まだまだあらゆる面で感じられる力不足感は否めないが、エイジが抜ける前の『
(今回『
禁術を平気で扱う者達を組織から削ぎ落せた事は『
「それでは、我々はこれで失礼する――」
この場に居る『
「ああ、調査の件はよろしく頼む。シゲン殿」
そう言ってゲンロクも立ち上がり、シゲンに声を掛ける。シゲンは何も言わずに頷くとそのまま部屋を出て行くのであった。
他の『
「エイジ殿。きっと貴方とは今後も
「勝手にするがよい」
「ふふっ……。
つっけんどんな返しをするエイジにミスズは、年相応の笑みを浮かべた後、総長シゲンの背中を追いかけるように部屋を出て行った。
その笑みは『
……
……
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