第1088話 ケイノト方面と、旅籠町方面の分かれ道
ソフィ達がサカダイの町の『
彼らの目的は旅籠町で捕らえられている『
元々キネツグ達は『
キネツグ達に断られる事など考えもしていないヒュウガは、既に今向かっている旅籠町の事よりも、ケイノトの退魔組の事を考えていた。
(先に退魔組のサテツの所へ『式』を飛ばして事情を通しておきたいところだが、既にケイノトでは私を取り押さえる為にゲンロクの息のかかった者達が、多く潜伏して待ち受けている事だろう。下手に『式』を放てば退魔組は厳重にマークされてしまい、今後より一層近づく事が難しくなってしまう。何よりゲンロク達だけでは無く、下手をすれば『
「ヒュウガ様。もうすぐケイノトと件の旅籠町へ繋がる道とで分かれる場所ですが、このまま南下を続けて旅籠町の方へ向かっていいのですか?」
今、まさにケイノトの事を考えていたヒュウガは、キクゾウの言葉に意識を取り戻されるのだった。
「そうですねぇ。お主たちにケイノトに向かわせて、手っ取り早く二手に分かれて退魔組のサテツ達と合流を果たして、ほとぼりが冷めるまでの間『サカダイ』側の隠れられる洞穴の中にでも身を隠しておきたいところですが『
「そうですね……。あれから既に数日が経っていますし『式』を通じてあらゆる町に間諜やら見張りが事情を得ながら、我々を追っていてもおかしくはないでしょう」
「ゲンロク以外の奴には知られてはいなかったでしょうが、私が『退魔組』の『サテツ』と裏で繋がっている事は、もうバラされている事でしょうしね。ふむ、キクゾウ。お主がこの場に居る半分の者達の指揮をとって、先にケイノト近くの目立たない洞穴で『旅籠町』から戻った私達を待っていなさい」
「分かりました。それではヒュウガ様と連絡を常に取り合えるように『
ヒュウガは自分の考えていた通りの事をキクゾウが口にするので、物分かりもよく機転も利くとばかりに、認めるような視線を向けるのであった。
「それでは我々はこちらの道から向かいますので、毎日決まった時間に定時連絡用の『式』を夜にでも『旅籠町』近くの見晴らしのいい盆地付近の高い山に飛ばして下さい」
「イツキの子飼いの組織のアジトが近くにあった、あの盆地地帯の西側の高い山の方で構わないか?」
「それで構いませんヒュウガ様『
「ああ。こちらも人型の姿の取れる『
「宜しくお願いします、それではまた後ほど……」
キクゾウが別れの挨拶を告げるとヒュウガに向けて、キクゾウについて行く事が決まった大勢の『
キクゾウ達がケイノト方面へと向かっていく後ろ姿を見届けた後、ヒュウガ達も旅籠町の方へと歩を進め始めるのであった。
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