第1084話 妖魔山の存在と、イダラマ達
「どうやらその様子だと、何か心当たりがあるようだな?」
目聡くスオウの様子を見ていたソフィが口を開くと、真剣な表情を浮かべたままスオウは軽く頷いた。
「いや、しかしまだ『
何やら心当たりがある様子のスオウだが、煮え切らない態度で歯切りの悪い言葉を連ね始める。
「そのイダラマって『
そこまで言い切った後、スオウは何かに気づいたような表情を浮かべた。
(もしかして副総長は『イダラマ』が山に入るかもしれないから、それを阻止するように俺に見張っておけと言いたかったのか?)
唐突に思案顔を浮かべるスオウに、ソフィとヌーは顔を合わせる。
「じゃあその『妖魔山』だか何だかに『イダラマ』って野郎は向かったんじゃねぇのか?」
見え見えじゃねぇかと言わんばかりにヌーがスオウにそう言うと、スオウは『やっちまった』というような表情を見せる。
「それではつまり『エヴィ』もその『妖魔山』とやらに、向かっているという事なのだな?」
ソフィがそう言うとスオウは素直に頷いた。
「しかし分からぬな……。イダラマとやらも『
セルバスやヌーもソフィのその言葉に、確かにその通りだと言いたげな表情を浮かべるのだった。
「それは出来ないでしょうね。彼はシギン殿の代からゲンロク殿の代に体制が変わった後に『
サシャが詳しい説明を行うと、それまで項垂れていたスオウが言葉を付け加えた。
「イダラマって『
「分からないな……。その『妖魔山』に入るのが目的だったのならば、脱退させられるような状態になる前に、勝手に入ればよかったんじゃないのか?」
それまで黙って話を聞いていた『セルバス』が『スオウ』達に口を開く。
「そんな事を俺達に言われても分からないよ。別に山に入るだけなら『
そんなのは当人でも無ければ分からないよとばかりに、セルバスに説明するスオウであった。
「確かにその通りだな。まぁイダラマとやらが今になって『妖魔山』に入った理由などはどうでも良いが、エヴィもその場に居るというのならば、我達も『妖魔山』とやらに入りたいのだが……、当然何か許可みたいなのが必要なのだろう?」
「もちろん当たり前だよ。そもそもまだ『
そう告げるスオウの言葉を聞きながらソフィは、その総長とやら達がゲンロク殿達の元から戻って来るまでは大人しく待っている他に無いだろうなと、半ば諦めるような表情を浮かべるのであった。
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