第726話 戦力値によるクラス分け

 ステアの戦力値の高まりで魔王軍に属する多くの者が彼に注目する事となったが、ようやく戦力値でのクラス分けは終えた。


 今回のAクラスには『ステア』とその周囲に居た者達が大半を占めていた。Aクラスの平均戦力値はオーラ有の状態で500億付近である。大魔王領域で表すならば、に達していた。


 次Bクラスは中立の者達の大半が占める割合となったが、Bクラスの平均戦力値はオーラ有の状態で200億付近であった。大魔王領域で表すならば、こちらはである。


 しかし下位領域は大魔王領域表記で表す中で一番下限から上限までが広く『大魔王下位領域』の下限は4億程である。


 この場に居るBクラスの者達も下位領域ではあるが平均は200億。アサの世界での頂点に位置する、イーサ龍王の戦力値は70億であった。つまり決して弱くはない下位領域の大魔王という事である(※大魔王下位領域は4億以上~399億未満)。


 これからAクラスとBクラスでの為の別々の模擬戦が行われるが、当然この時点である程度の『』は決まっている。


 最初の戦力値でのクラス分けによって、Aクラスの者達は大半が『序列部隊』行きとなる。


 Bクラスの者達は『序列部隊』が率いる部隊行きが大半を占めるだろうが、戦い方や能力次第ではBクラスでも十分に序列部隊入りは可能とされた。


 数千年前に『序列部隊一桁』に入った『カルデア』も戦力値は僅か240億の身でありながら、ディアトロスに戦闘の戦略性を認められた事で『第九位』に推薦された過去がある(※第400話『新たな九大魔王の誕生』)。


 当然今回は暫定ではある為『二桁部隊』『三桁部隊』に入った者であっても、既存の序列部隊が戻ってきたときには、再びその者達と模擬戦を行う可能性がある。


 ……

 ……

 ……


 AクラスとBクラスのクラス分けが終わった事で、少しの休憩の後に模擬戦が行われる事となった。リーシャはレアを連れて、施設の外に出ていた。


 レアはこのが行われる施設の室内に居た魔族を見て『アレルバレル』の世界は、やはりとんでもない世界だと感じていた。


 そんなレアだったが、リーシャに外の空気を吸いに行こうと言われて、施設のある建物の外に連れてこられたのだった。


「やっぱりここはとんでもないところねぇ。貴方とエイネがここまで強くなっているのも頷けるわぁ」


 既にレアも『アサ』の世界から戻ってきた『エイネ』とは再会している。父であるフルーフとリラリオの世界で合流した時に、エイネの事は聞いていたが『アレルバレル』の世界で再会を果たした時、エイネの纏う空気を感じて、レアは震えが走った程だった。


 しかしそれでもやはりエイネとの再会は、レアにとっても嬉しいものであり、再会した夜は『リーシャ』と『エイネ』の三人で朝になるまで飲んだ。


 ――しかしレアはその時からずっと感じている事がある。


 隣に居るリーシャがエイネの連れて来た魔族のミデェールに対して、強い嫉妬心を抱いている事である。


 外に連れ出されたレアだが、すでにリーシャが何故外に空気を吸いに行こうといったか、既に検討がついている。何故ならクラス分けの時にステアが『』を纏った時、エイネがミデェールを庇ったところを見たリーシャが、恐ろしい顔でミデェールを睨んでいたからである。


 多分この後リーシャに愚痴を聞かされるんだろうなぁとレアは、リーシャの横を歩きながら考えるのだった。


 レア達が歩いている場所は、訓練施設の内側にある中庭である。


 この場所もの結界の内側ではあるが、先程までいた室内に比べると、少しだけ結界が弱く感じられるレアであった。


 中庭にあるベンチを見つけたリーシャは、そこに座ろうとレアに提案する。レアも素直に頷き二人は模擬戦が始まるまで、ここで時間を潰す事にするのだった。


 ……

 ……

 ……

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