165. 異世界895日目 ジェンと・・・

 デートを重ねるたびにジェンのことが好きになっていった。もちろんけんかをすることはあるけど、それでもジェンのことは前より好きになっていった。

 そして告白してから3ヶ月経った頃、自分は重大な決意をすることにした。



「ジェン、今日は久しぶりにちょっといいところで食事しないか?」


「どうしたの?まあ、最近は自炊が多かったからたまにはいいかもね。」


 そう言って向かったのは前に泊まったシルバーフローの展望レストランだ。今日はレストランで前よりも贅沢に個室の部屋を取ってもらった。食事を頼んで食べ始めるが、緊張のせいか味があまりわからない。それでもなんとか緊張を隠しながらいろいろと話をしながら食事を楽しむ。


 デザートまで運ばれてきたところで改めてジェンに話しかける。


「ジェン、ちょっと聞いてほしいことがあるんだ。」


「え?どうしたの?」


「ジェンと両思いとわかってから3ヶ月ほど付き合ったけど、ジェンはどうだった?」


「うん、楽しかったわ。けんかもしたけど、今まで以上に楽しかった。」


「自分もジェンのことは前よりももっと好きになって来た・・・と思う。それで・・・」


 言葉が出てこない・・・。


「それで・・・






 自分と結婚してくれないか?」


 いろいろと言うことを考えていたのに真っ白になって言葉がこれしか出てこなかった。


「えっ?」


 ジェンが驚いた顔でこっちを見ている。



「これを受け取ってほしいんだ。」


 自分は少し前に造ったものをジェンに渡す。


「これって・・・」


「こっちでは婚約指輪というものは無いみたいだけど、結婚指輪でプロポーズすることが多いって聞いたから・・・。指輪は頑張って造ったものなんだけど・・・。」


 この世界では婚約という風習はあるが、特に婚約指輪というものはないらしい。結婚指輪は男性が両方またはお互いが相手のものを用意して、結婚式ではめて誓うと言うことになるようだ。

 結婚指輪は金や銀、値段が高くなるとミスリルや場合によってはオリハルコンで造るのだが、宝石はつけずに金属だけで造るのが普通らしい。

 それで少しずつ錬金と土魔法でミスリルを加工して造っていたんだ。デザインは唐草のようなツタをイメージしたもので、それに前に買ったブローチのような鳥の羽を一部デザインに組み込んだものだ。

 何か付与魔法を入れようかと思ったんだが、デザインを優先させたせいでさすがに付与魔法を入れることはできなかった。


「ジェン?」


 ジェンが下を向いて黙ってしまった。やっぱりいきなり結婚って言うのはハードルが高すぎたかな?調子に乗り過ぎちゃったか・・・。


「ご、ごめん。ジェンとはうまくいっていると思っていたから、ジェンもそう思ってくれていると思ってたんだ。それだったらけじめをつけるつもりで結婚と思ってしまったんだ。・・・ごめん。」



「ちがうの・・・。」


「え?」


「ちがうの・・・うれ、しくて・・・。」


 顔をあげたジェンは目から涙を流していたが、悲しい表情ではなく満面の笑顔だった。


「もちろん、いいわよ。


 イチ、結婚しようよ!」


「ほ、ほんとに?」


「もちろんよ。」


「や、やった~~~~っ!!!!」


 あまり大きな声は上げられないが、思わず声が出てしまった。表にいた給仕の人がこっちをのぞき込んできたので謝っておく。




「そ、それでね・・・あ、あの・・・今日はここに部屋を取っているんだ。せっかくだから、こ、ここに泊まっていかない?」


「え・・・ええっ?




 う、うん、いいわよ。」



 食事を終えてからホテルの部屋にチェックインする。あの話の後は二人とも何も話さないまま部屋へ移動する。だけど、ジェンはしっかりと自分の手を握ってくれていた。


 部屋に移動してからシャワーを浴びるが、緊張して下の方が収まらない。シャワーを出るとジェンも浄化魔法ではなくシャワーを浴びるようだ。


 正直緊張してもう頭が大パニックだ。ジェンもそのつもりと考えていいんだよな?ちゃんとできるのかな?


 しばらくしてジェンがシャワーから出てきたんだが、いつもと違って自分と同じくバスローブを着ている。緊張で心臓の音が外に漏れているような気がする。


 ベッドの横に並んで座るが、なにも言葉が出てこない。こんなときどうすればいいんだ?クリスさんから色々助言をもらったんだけど、まったく思い出せないよ。


「イチ?」


 振り向くとジェンの顔がすぐ近くにあった。


「大丈夫だよ。」


 そう言うとジェンの顔が近づいてきた。そのままベッドに倒れ込んだ。ジェンの重さを感じる。胸の柔らかさを感じる。ジェンの心臓の音を感じる。


 ジェンの唇に触れる。何度かやった長い口づけ。だけど今日はそれだけじゃない。覚悟を決めよう。


 ジェンを引き離すと、ジェンは少し残念そうな顔をしている。


「ごめんね。」


 そう言ってバスローブをはだけると、ジェンの裸体が現れた。下着はつけていなかったのでジェンのすべてを見ることができた。


 ジェンの手が自分のバスローブに触れて脱がされる。あそこが落ち着かない状態になっているのを見てジェンが小さく笑った。


 ジェンに口づけをしてベッドの上に倒れ込む。そしてジェンの胸に手を触れる。指が突起に触れるとジェンが小さく声を上げた。


 二人でお互いを触っていたんだが、このままだと我慢ができない。いいのかな?ジェンを見ると小さくうなずいてくれた。そしていざ入れようとするが、場所がどこかわからない。そう思っているとジェンが誘導してくれた。


「お願い、一気に来てくれていいから。」


 そう言われて腰を押し込むとあそこにすごい感触とともに、背中に痛みを感じる。ジェンが背中に爪を立てているようだ。ジェンの表情がかなりつらそうだが、必死に耐えているようだ。


「私のことはいいから、イチの思うようにしてくれていいから、お願い・・・。」


 必死に訴えかけてくる。しばらくすると背中の痛みは治まってきたが、すぐに果ててしまった。我慢できないよ・・・。数回だけでも頑張ったんだからよしとしてよ。


 気がつくと背中にかなりひどいひっかき傷ができていた。ジェンはかなり痛かったみたいで、必死に耐えていたんだけど、背中にかなり爪を立てられてしまったようだ。もちろん治癒魔法で治せるけど、しばらくはこのままでいいかな?

 ジェンに比べたらまだこのくらいの痛みは大丈夫だ。このあともしばらくしてからそのまま眠りについた。ジェンと抱き合ったまま夢の中へ・・・。



~あとがき~

年齢規制をしていませんので細かな描写は記載していません。一応書くには書いたんですけどね。どの程度まで書いていいのかわからないのでこのくらいに修正しておきました。これでも警告があれば書き直すことになります。

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