112. 異世界495日目 結果の報告
朝食を食べた後、もう一度二人にはくれぐれも注意するように言ってからジェンと二人でジョニーファン様の家へと向かう。昨日のうちに連絡を取っていたところ、今日の朝からやってきていいと言うことだったので助かった。
受付に行ってから中に通してもらい、ジョニーファン様と面談するといきなり謝られて戸惑ってしまった
「こちらの管理ミスがあったみたいですまなかった。死にかけたと言うことを聞いていたんだが大丈夫だったのか?」
「大丈夫です。こちらも不注意だったので自業自得だと思っています。どんなときでも最悪の事態を想定して護衛についてもらっておくべきでした。」
「そう言ってもらえると少しは気持ちが楽になるわい。」
今回のことはすべて報告が行っているみたいで、調査の時の警備体制について見直しを行うことになったらしい。申し訳ない。
「ところで上級の治癒魔法を使ったと聞いているが、治癒魔法もできるのか?」
「一応治癒魔法も使うことができます。上級の治癒魔法ではないと思いますよ。あくまで怪我を治せるレベルなので、腕が無くなっていたりしたら元には戻せなかったと思います。」
「それでも傷跡もなく治したと聞いているからのう。ジェニファーさん、すまんが怪我をした腕を見せてもらうことはできないか?」
「それはかまいませんよ。」
そう言って右腕を見せると、ジョニーファン様はかなり興味深げに見ていた。
「正直全く治療した跡が分からない。ここまでの治癒魔法となると上級の治癒魔法になるんじゃが、元の状態をイメージすることで傷跡も綺麗にできるのか?よく知っている相手だからこそできた治療なのかもしれんな。これは研究の価値があるやもしれん。
上級の治癒魔法でも見た目は治っても後遺症が残ることも多いんじゃ。別の人に治療してもらうと改善する場合もあると言う報告もある。
特に後遺症や違和感はないんじゃな。」
「ええ、さすがに少し筋力は落ちたような感じはありますが、特に問題ありません。」
さすがに遺伝子の話まではできないため、細胞の中にもとの状態の情報があると考えており、それをもとに治療をしたというところまでは話しておいた。ただイメージ的なものなのでうまく伝えられないと言うことでごまかしておく。
「確かに上級の魔法で治療するにしても、元の体の情報はどこから手に入れるのかと考えると体の別の部分にも体全体の情報が入っていると考えた方が正しいか。なるほどのう・・・。」
いろいろと新しい情報があって考え込んでいるようだ。しばらくは声をかけない方がいいだろう。
「さて、それで今回の調査の結果について報告してもらって良いかな?」
「はい、分かりました。すでにある程度報告は聞いていると思いますが、自分たちの考えを元に少し説明させてもらいます。」
発見した遺物については遺物の内容を説明し、相場で引き取ってもらうこととした。事前に価格については調べていたみたいで、提示された価格を見ると、収納の宝玉はかなりの高値になるみたいで良かった。他のものも結構な金額での引き取りとなった。
壁画についてはこちらで少し解読した結果と併せて報告する。古代ライハン語についての研究はあまり進んでいなかったのでかなりの成果と期待できるようだ。
自分たちが解読した範囲では外の壁画と中の壁画の相関はとれているので、結構役に立ちそうだ。いくつかの法則性や単語の意味について報告していく。
今後はかすれて見えなくなっている文字についても調査を行っていくらしい。
魔獣石が大量にあった場所についてはあくまで推測だが、魔素を供給する施設ではないかと説明した。魔素を吸収する付与魔法はすでに機能がなくなっており、文字も読めなかったが、付与魔法からケーブルが接続するようになっていたことから魔獣をそこで倒し、それを自動で吸収する形にしようとしたのではないかと言うことだ。
もともとちゃんと機能していて壊れたのか、それとも途中でこわれたのかわからないが、このようなことができるのであれば消費魔素量にもよるが魔素を永久に供給できるシステムになるのかもしれない。他の付与魔法は魔獣が湧くためのものや浄化のためのものではないかと考えている。
あと道しるべの玉についても話をしておいた。原理はわからないが、転移したのは間違いなさそうなこと、もう一度使おうとしたが発動しなかったことなど説明するとかなり興味を引いていた。
発動条件についてもよくわからないが、どこかに逃げたいと強く願ったことが条件かもしれない。また海賊の伝説の話についても少ししておいた。
結局お昼もごちそうになり、話が終わったときにはすでに5時近くになっていた。思ったよりも遅くなってしまった。
今回の報酬と買い取りの代金は明日役場で受け取ってくれと言われる。報酬は基本報酬の3万ドールにかなり上乗せしてくれるようだ。期待しておいてくれと言われるが、金額は教えてくれなかった。「明日を楽しみにな。」とだけ言われる。
宿に戻ると二人もすでに部屋に戻っていた。二人を誘って夕食に行くが、二人はかなり興奮していた。やはりこういう大きな町に出るとテンションは上がるよね。
二人が今後生活する場所についてジョニーファン様に相談したところ、役場の人物を紹介してくれたので明日一緒に役場に行くことにした。
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