110. 異世界487日目 装備の更新
朝食をとった後、サルマンさんやデイストリフさんに挨拶をしてから出発する。護衛をつけようかという話も出ていたんだが、それはお断りしておいた。どう考えてもペースが合わないからね。
行きにも通った道なので索敵で倒さないといけない魔獣のみ狩りながら一日走ってトルイトの町に戻ってきた。さすがに夜も遅かったのでこの日は前に泊まった宿に泊まる。
翌朝にまずは素材関係を売り払い、装備を整えるため鍛冶屋へと向かう。王都の方が品揃えはいいとは思うんだが、いったん装備を更新しておかないと心許ないからねえ。
そう思ってこの間装備を売りに来たお店に来てみたんだが、思った以上に装備がそろっていた。ある意味前線基地のようなのでそろっているのか?あのときは時間も無いので商品をあまり見ていなかったからね。
前と同じクラスの装備を探していたんだが、ミスリルの装備が置いてあることに気がついた。ミスリルは特注品が多いので普通においていることは珍しい。しかも中古品とはいえ、値段がかなり安い感じだ。
「すみません、このミスリルの装備の値段がかなり安いように思うんですが、なにか理由があるんですか?」
「ああ、これな。ミスリルを使った装備なのはいいんだが、ミスリルの装備にしては付与魔法が中途半端でな。付与魔法をし直すくらいなら新しいものを買った方がいいという事でなかなか売れないんだ。」
確かに付与魔法のレベルが低いな。普通は付与魔法のもう1ランク上のものが付与されるものなんだが、これは並しかない。このためミスリル装備にしては珍しくレベルが高となっている。ただ品質や耐久性は良なのでもの自体は良さそうだ。二つが良でも一つが並だと総合評価は高になってしまうんだな。
「たしかにミスリル装備は通常レベルが良のものなのでレベルが高のものは普通みないですね。」
「もの自体は悪くはないんだが、ミスリル装備のこのランクになると良階位には中途半端、特階位には機能が足りないという状態なんだ。」
「もう少し値引きもするし、サイズの調整代もサービスするから買ってくれるとありがたいな。」
見てみると、鎧、盾、籠手、兜がそろっている。剣とブーツは売れてしまったらしい。サイズを確認してみると、自分が盾、ジェンが鎧と籠手と兜のサイズが合いそうだった。
「これって使っていた人が女性だったんですか?結構小さいような感じですけど。」
「ああ、そのとおりだ。そのせいもあってさらに買い手がいないんだ。」
ミスリルとはなっているが、すべてがミスリルというわけではなく、関節など動く部分には革が使われており、それほど動きが制約されるわけではない。盾も内側は鋼で作られている。ただ基本的にそういうものらしい。値段次第では買ってもいいか?
今の時点で結構値引きをしているようなんだが、全部を購入するとさらに値引きをしてくれるというのでまとめて購入することにした。
巨猪の革の籠手(高)=14万ドール
鋼の小盾(高)=17万ドール
巨角牛の鎧(高)=36万ドール
ミスリルの籠手(高)=38万ドール
ミスリルの盾(高)=78万ドール
ミスリルの兜(高)=42万ドール
突牛のハーフ鎧(高)=85万ドール
これで300万ドールと結構な出費となってしまったので残りのお金が150万ドールくらいになってしまった。今回の依頼で手に入った分がすべて飛んでいく感じだな。ある程度の装備がそろったら装置のメンテナンス代に費やすくらいになるのでお金は貯まっていくとは思うけど、また色々ほしくなるのかねえ。
まあ、これでかなりの防御力向上となるからこれはこれで仕方がないかな。ミスリルでこの値段とか普通はあり得ないし。付与魔法のスキルが上がったら改造はできるのかなあ?
あと壊れた防具関係だが、修理して使えるものもあったみたいでかなり安いが下取りとして引き取ってくれた。まあ鋼の小盾とか鋼の盾とかはまだ使えそうではあったからね。
防具はそろえたんだが、武器はなかなかいいものがないんだよなあ。まあこっちの国は魔法が主体だからしょうがないと言えばしょうがないんだが・・・。
防具の調整に思ったよりも時間がかかったので遅めの昼食をとってから町の中を適当に見て回る。いくつか買い物も済ませてから準備を整えて、夕食へ。夕食はちょっと有名なお店らしいところに行ってこっちの料理を堪能する。やっぱり寒いところはシチュー関係が美味しいような気もするなあ。
~ジェンSide~
治療のあと、イチとは少しギクシャクしてしまった。私もイチを意識しすぎてうまく会話ができないんだけど、イチもいつもと違ってちょっとよそよそしい感じがしたのよね。まあ色々あったので照れているのかな?
3日ほど休養をとった後、リハビリをかねて魔獣の狩りに行くことになった。心配したデイストリフさんが護衛をつけてくれたので申し訳なかったけれど、同行した兵士達は「気分転換になってよかった。」と言ってくれたので気持ちはだいぶ楽になった。
さっそく狩りを始めたんだけど、やっぱり精神的に参っているのか、体が思うように動かない。このままじゃだめだと思ってできるだけ前に出て魔獣を倒していくことで気持ちを高ぶらせた。でも氷狼を見たときは全身が硬直してしまった。なんとか気力を奮い立たせて討伐できたけど、やっぱり白狼のことが気になっているのだろうね。
2日目にはなんとか体の調子も元に戻ってきた感じがした。氷狼も少し気にはなるけど討伐は問題なくできるようになった。でも完全にこの気持ちを払拭するには力量を上げて白狼を倒さなければ無理なんだろうな。
このあと遺跡の調査に行くと不思議な部屋を発見した。魔獣石が床に大量に落ちていたのには本当に驚いた。魔獣石のサイズをみると上階位や良階位の魔獣だったように思われる。この部屋に魔獣が湧きやすい仕組みでもあるのかな?何かの実験に使うためだったんだろうか?
調査の後、イチと今後のことを含めて色々と話をした。イチはなにか決心したのか表情が変わったように感じた。ただ私のことを前よりも優しい目で見ているようにも感じる。
とりあえず私の気持ちは封印することにした。やっぱり今の気持ちを伝えるのはちょっと怖いから。誰かに相談できればいいんだけど、こういうことを相談する相手がいない。
マラル達やスレインさん達になら相談できるかな?ヤーマンに戻ったらオカニウムに行ってみるようにイチとも相談してみようかな?
~購入した装備の詳細~
名称:ミスリルの籠手(高)=38万ドール
詳細:ミスリルと突猪の革から製作された籠手。製品の強度が10%向上する。耐久性が10%向上する。筋力が10%向上する。
品質:良
耐久性:良
効果:並
効力:強度向上-1、耐久性向上-1
名称:ミスリルの盾(高)=78万ドール
詳細:ミスリルと鋼で作りあげられた盾。製品の強度が10%向上する。重量を10%軽減する。
品質:良
耐久性:良
効果:並
効力:強度向上-1、重量軽減-1
名称:ミスリルの兜(高)=42万ドール
詳細:ミスリルと突牛の革から製作された帽子。製品の強度が10%向上する。耐久性が10%向上する。
品質:良
耐久性:良
効果:並
効力:強度向上-1、耐久性向上-1
名称:突牛のハーフ鎧(高)=85万ドール
詳細:突牛の革から製作されたハーフ鎧で要所にミスリルが使用されている。製品の強度が10%向上する。重量を10%軽減する。
品質:良
耐久性:良
効果:並
効力:強度向上-1、重量軽減-1
~装備~
ジュンイチの装備:
鋼の剣(高) 高/高/高 強度向上-2
鉄の短剣(良) 良/良/良 強度向上-3、鋭利向上-3、耐久性向上-1
鋼の戦鎚(高) 高/高/高 強度向上-2
巨角牛の革パンツ(高) 高/高/高 強度向上-2
巨角牛の鎧(高) 高/高/高 強度向上-2
巨猪の革の籠手(高) 高/高/高 強度向上-2
ミスリルの盾(高) 良/良/並 強度向上-1、重量軽減-1
巨猪の革のブーツ(高) 高/高/高 耐久性向上-2
鉄の兜(高) 高/高/高 強度向上-2
力のネックレス(高) 高/並/高 筋力向上-2
魔術の指輪(高) 高/高/高 魔力強化-2、治癒力強化-1
堅牢の腕輪(高) 高/高/高 肉体硬化-2
ジェニファーの装備:
鉄の短剣(良) 良/良/良 強度向上-3、鋭利向上-3、耐久性向上-1
鋼の錫杖(高) 高/高/高 強度向上-2
巨角牛の革パンツ(高) 高/高/高 強度向上-2
突牛のハーフ鎧(高) 良/良/並 強度向上-1、重量軽減-1
ミスリルの籠手(高) 良/良/並 強度向上-1、耐久性向上-1
鋼の小盾(高) 高/高/高 強度向上-2
巨猪の革のブーツ(高) 高/高/高 耐久性向上-2
ミスリルの兜(高) 良/良/並 強度向上-1、耐久性向上-1
魔術の指輪(良) 良/良/良 魔力強化-3、治癒力強化-2
俊敏の腕輪(高) 並/並/高 俊敏強化-2
堅牢の腕輪(良) 良/良/良 肉体硬化-3
予備の装備:
クロスボウ(低) 良/良/良 耐久性向上-2、風魔法-3
大角牛の革の鎧(高) 高/高/高 強度向上-2
大角牛の革のハーフ鎧(高) 高/高/高 強度向上-2
厚手の革パンツ(並) 並/並/並 強度向上-1×2
牙猪の革の籠手(高) 高/高/並 強度向上-1
牙猪の革の籠手(高) 高/高/高 強度向上-2、耐久性向上-1
牙猪の革のブーツ(高) 高/高/高 耐久性向上-2×2
牙猪の革の帽子(高) 高/高/高 強度向上-2
鉄の盾(並) 並/並/並 強度向上-1
鉄の小盾(高) 高/高/高 強度向上-2、筋力増強-2
魔術の指輪(並) 並/並/並 魔力強化-1
魔術の指輪(高) 高/高/高 魔力強化-2
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