40. 異世界181日目 首都の見学

 久しぶりにいいベッドで寝たせいか、朝はちょっと寝坊してしまった。まあ今日は昼から出かけるので朝はゆっくりでいいと言われていたからいいんだけどね。部屋で荷物の整理をしたり、魔法を使った遊びをしたりしていた。




 お昼前に最近始めたというフードコートに行ってみる。ちょっと町の外れの方にはなるが、結構な広さの施設になっていた。1階にフードコートで10店舗ほど、2階がカサス商会のスーパーのような感じ、3階が個別のお店になっていて衣服や雑貨などのお店が10店舗ほど入っていた。食堂の2店舗と個別の店の2店舗は結構有名なお店らしい。



 せっかくなのでここで昼食をとってから、事務所に戻り、思ったことを言ってみる。できるかできないかは別にして言うだけ言ってみよう。こっちの常識も分からないからしょうがない。ジェンももちろん知っていることなのでいろいろと言うことがあったみたいだ。


 まずは食事ができるお店が並んでいるが、食べる場所はお店ごとに区切られているのでこの区切りを取り除くことを提案した。お店が並んでいるだけだと、グループで来たときに結局どれか一つの店でしか食べられない。結局行きたい店に行って一緒に食べられない場合がある。これをそれぞれが好きなものを買って同じテーブルで食べられるようにするだけでグループでの利用率が高くなるはずだ。


 この変更にあわせて配膳をお客さんがするように変更してしまえば、配膳係が必要なくなる。席で注文を受けるのではなく、お店のカウンターで注文を受けて商品をテーブルに持って行ってもらうスタイルである。準備に時間がかかるお店は番号札のようなものを発券してできあがったら呼び出すようにすれば待っている間も他の人たちと一緒にいられていいのではないだろうか?


 あとは子供も一緒に来ているのを見かけたので子供用のイスをいくつか準備しておけば家族連れにはとても喜ばれるのではないか?補助イスのようなものでも十分。


 案内マップを設置してどこに何があるのかわかりやすくすること、特に識字率が低いのなら絵で描く方がよいこと、車で来る人には時間制限はあるが駐車券を無料にすること、来店のポイントカードなどを作成することなどを言ってみた。


 惣菜コーナーでは量り売りの他に先に一定量詰めたものを用意してそのまま買ってもらうこと、惣菜は見えるようにガラスケースの中に入れて見えやすくすること、試食コーナーを設けて味見をしてもらうことなどお店で見た内容を伝えていく。


 もとの世界では結構普通のことだったんだが、いろいろと意見を言っていると、「なんだこいつは?」という風にあまりいい顔をしていなかった社員も食いついてきたのでこの世界では普通ではなかったんだろう。




 そのあとで研究したというインスタントラーメンの試作品を持ってきた。どうやら渡したレシピを元にいろいろなところで研究して、情報をやりとりしているようだ。

 しかし、もうここまでできたのか?どうやら入れ物については使えるものがすでにあったらしく、袋タイプと、カップタイプの2種が準備されていた。


 さっそく食べてみると、自分が試作したものよりも麺の食感が良くなっていた。どれだけ急いで試作品を作ったんだ・・・。すごいな。もう少し研究してから早い段階で売り出したいと言っていた。


 こっちの世界でやっているのか分からないが、先行体験として使う可能性の高い冒険者やいろいろな職業の人に無償で配って意見を聞いてみてはどうか、そうすれば販売前にこんなものがあると評判になるのではないか、また改良点が見えてくるのではないか、と話すとなるほどとうなずいていた。

 モニター販売もこっちではやっていないことらしかった。基本的に無料で配ると言うことはしないらしい。


 他の味や麺の種類についてはまだ研究中らしいが、まずは鶏ガラ味の二つを売り出すことにしたらしい。売れることをかなり確信しているような言動があるが、大丈夫かな?ちなみに値段は50ドール以下に抑えて既存の魔法による保存食とは棲み分けを考えているみたい。


 あと新しい味についても社員でもいいけど、社員じゃない人も集めて投票してもらって味を選ぶとか、地域によって味の好みもあると思うので売る種類を地域で分けるなどの話もした。


 一通りの視察を終えて一段落。コーランさんはかなり満足したのか、相談料として15万ドールもだしてきた。大丈夫なのか?こっちとしてはありがたいけど・・・。インスタントラーメンは利益の一部ももらうことになっているのに・・・。




 一通りの視察のようなものは終わったので気分的に大分楽になった。自分の助言がどこまで役に立つかはわからないけど、とりあえず知っていることはすべて伝えたつもりだ。お礼も結構もらえたので内容的には大丈夫と考えていいだろう。あとはコーランさんの手腕次第と思っておこう。




 このあとはせっかく来た首都の見学へいくことにした。コーランさんに案内をつけようかと言われたが、適当にぶらつくつもりなので辞退しておいた。




 まずは役場に行って護衛依頼を完了させて、護衛代として5万ドール受け取る。途中に盗賊の討伐もやっていることに驚いていたが、蠍の尾パーティーが一緒だったのでおこぼれをもらった感じですと言っておいた。


 なお、冒険者は見た目上は税金などを払っていないように見えるが、実際はいろいろと報酬額から税金を引かれている。


 常時依頼の場合は素材の買い取りの時に税金がかけられていて買い取ったところがその税金を納めている。素材の買い取り額が100ドールの場合は、店側が10ドールを税金として納めているので、実際の買い取り額は110ドールと言うことになる。


 特別依頼についても報酬額から支払われるわけではなく、依頼者が報酬額と別に税金を納めることになっているのである。依頼書に小さく税金額についても書かれている。以前の護衛の時も税金分は支払ってくれていたのだろう。


 もともとは報酬額から税金を引く形にしていたらしいが、納得しない人や支払いをしない人も多かったために事前徴収という形になったらしい。

 今回の盗賊討伐の時の摂取品などのように討伐で手に入れた収入や懸賞金、魔獣を倒して手に入れた魔素石には税金がかからない。今回の相談料についてはどういう扱いなのかはよくわからないが、自分が払う必要はないだろう。



 事前に聞いていたとおり、ジェンも上階位への実績ポイントが貯まっていた。試験を受けるなら2日後にあるようなのでお願いすることにした。前日だと受付が間に合わなかったようなので助かった。



 置いている魔獣や薬草の資料を見てみるが、やはり日帰りエリアではほとんど魔獣の対象がいないようだ。自分たちがぎりぎり日帰りできるエリアでアーマト近郊にいた魔獣くらいである。これだとここでは収入があまり見込めないかなあ?

 受付の人に話を聞いてみると、階位の低い冒険者はほとんどいないので少し遠征すれば魔獣の取り合いにはならないためそれなりには稼げるかもと言っている。とりあえず試してみるしかないか。まあ臨時収入もあったからすぐに生活に困るわけでもないからね。



 しばらくはコーランさんのお店の宿泊施設に泊めてらう予定なので宿代がかからないのがありがたい。やはり宿泊費は高くて今までと同じレベルの宿だと1000ドールほどかかるようだ。サクラにいる間はずっと泊まっていってもいいとは言われているが、さすがに気が引けるしね。




 夕食はコーランさん達と一緒に食事をするが、コーランさんは今日の視察にかなり満足したのかかなり上機嫌だ。でもほんとにうまくいくかどうかはわからないですよ・・・。

 次はいつ入ることができるのかわからないのでお風呂も堪能する。普段はシャワーで十分なんだけど、旅行とかの時はお風呂をゆっくり堪能したいんだよね。



 部屋に戻ってからスキルの確認をしようとすると、ついに鑑定スキルのレベルが3になっていた。ジェンも同じく鑑定レベルが3に上がっているようだ。

 やはり神様の加護が効いているのか、勉強したときの吸収力と理解力が上がっている感じで、今までより難しい内容が今までと同じような感じで理解できていたからなあ。クラスで思考力向上もついているので計算とかも早くなっているのかもしれない。



 鑑定レベル3の効果は予想通りレベルの表示だった。これでやっとどのスキルがどうなのか、今後何を伸ばしていけばいいのか判断できるようになった。

 ここで気がついたのはクラスの効果にもレベルがあることだ。クラスがついた後もさらにスキルを上げていくと効果が上乗せされるのだろうか?



 アイテムを鑑定するとこれも付与魔法のレベルが表示されるようになった。あとアイテムの説明も細かくなっていた。


名称:鉄の短剣(良)

詳細:鉄から製作された短剣。製品の強度が30%向上する。製品の切れ味が30%向上する。製品の耐久性が10%向上する。

品質:良

耐久性:良

効果:良

効力:強度向上-3、鋭利向上-3、耐久性向上-1


 そして魔獣石の魔素の量も分かるようになったのはうれしい。これで分解を依頼しなくてもかなり楽に硬貨として使うことができる。


名称:魔獣石

詳細:魔素が貯まった石。魔素30309に相当する。


 イメージで魔素を調整しながら分解して10000ドール3枚と残りの309ドールに分けておいた。一発で分けることができないので何度も分解と合成を繰り返して調整しなければならなかったけどね。ただ闇雲に調整するよりはずっと早い。今後も10000ドールになったところで分けるようにしておこう。



~ジュンイチとジェニファーのステータス~


名前:ジュンイチ(大岡純一郎)

種族:猿人(異世界人)

生年月日:998年10月30日

年齢:17歳

国籍:ヤーマン国

職業:冒険者(並階位・アース)

賞罰:なし

資格:なし

クラス:戦士(武術力向上-1)、学者(思考力向上-1)、神の祝福(物理耐性上昇-1、魔法耐性上昇-1)


スキル:

体術-2、片手剣-3、両手剣-2、刀剣-1、短剣-2、盾-2

一般魔法-3、火魔法-2、風魔法-3、水魔法-3、土魔法-3、治癒魔法-3、回復魔法-2

肉体硬化-1、毒耐性-1、麻痺耐性-1、睡眠耐性-1

演奏-1、歌唱-1、絵画-2、彫刻-1、工作-1、料理-2、裁縫-1

日本語-4、英語-3、ヤーマン語-5、ライハンドリア公用語-5

思考強化-2、鑑定-3

索敵-3、罠探知-1、隠密-1

商人-1

採掘-1、採取-1、解体-3、解体魔法-3


知識スキル:

戦学-3、武学-3、防学-3

魔法学-4、魔素吸収-3、魔素放出-3、魔素操作-3

算学-4、自然科学-4、社会科学-3、生物学-4、植物学-4、地学-3、神学-3、医学-3、天文学-4、言語学-3

罠学-2

ガイド本-2


秘匿スキル:

アミナの祝福(知識吸収上昇)



名前:ジェニファー(ジェニファー・クーコ)

種族:猿人(異世界人)

生年月日:998年12月15日

年齢:17歳

国籍:ヤーマン国

職業:冒険者(並階位・アース)

賞罰:なし

資格:なし

クラス:戦士(武術力向上-1)、学者(思考力向上-1)、神の祝福(物理耐性上昇-1、魔法耐性上昇-1)


スキル:

体術-2、片手剣-1、短剣-2、弓-2、盾-2

一般魔法-3、火魔法-2、風魔法-3、水魔法-3、土魔法-3、治癒魔法-3、回復魔法-2

肉体硬化-1、毒耐性-1、麻痺耐性-1、睡眠耐性-1

演奏-3、歌唱-2、絵画-3、彫刻-1、舞踊-3、料理-2、裁縫-2

英語-5、スペイン語-4、ドイツ語-3、フランス語-3、中国語-2、日本語-3、ヤーマン語-5、ライハンドリア公用語-5

思考強化-2、鑑定-3

索敵-2、隠密-1

商人-2

採掘-1、採取-1、解体-3、解体魔法-3


知識スキル:

戦学-3、武学-3、防学-3

魔法学-4、魔素吸収-3、魔素放出-3、魔素操作-3

算学-4、自然科学-3、社会科学-4、生物学-4、植物学-4、地学-3、神学-3、医学-3、天文学-3、言語学-4

罠学-2

ガイド本-2


秘匿スキル:

アミナの祝福(知識吸収上昇)



~装備~

ジュンイチの装備:

鋼の剣(高) 高/高/高 強度向上-2

鉄の短剣(良) 良/良/良 強度向上-3、鋭利向上-3、耐久性向上-1

厚手のシャツ(並) 並/並/並 強度向上-1

厚手のパンツ(並) 並/並/並 強度向上-1

革の胸当て(並) 並/並/並 強度向上-1

牙猪の革の籠手(高) 高/高/並 強度向上-1

鉄の盾(並) 並/並/並 強度向上-1

革のブーツ(並) 並/並/並 耐久性向上-1

革の帽子(並) 並/並/並 強度向上-1

力のネックレス(高) 高/並/高 筋力向上-2

魔術の指輪(並) 並/並/並 魔力強化-1


ジェニファーの装備:

鉄の短剣(良) 良/良/良 強度向上-3、鋭利向上-3、耐久性向上-1

厚手のシャツ(並) 並/並/並 強度向上-1

厚手のパンツ(並) 並/並/並 強度向上-1

革の胸当て(並) 並/並/並 強度向上-1

革の籠手(並) 並/並/並 強度向上-1

鉄の小盾(並) 並/並/並 強度向上-1

革のブーツ(並) 並/並/並 耐久性向上-1

革の帽子(並) 並/並/並 強度向上-1

魔術の指輪(高) 高/高/高 魔力強化-2、治癒力強化-1

俊敏の腕輪(高) 並/並/高 俊敏強化-2

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