奏剣絆戦

小糸咲稀

序章

音楽

それは人々の心を掴む魔法のようなもの

人と人の結び。


ここはとある城の看守塔。

そこの最上階で年老いたある男が夕焼けで紅に染まる地平線を観つめていた

透き通っていたがどこか悲しい目をしている

透き通った綺麗な声で老人は独り言を話していた

「世界は平和になった。でも、それまでに辛い戦いがあった。音楽を作って良かった。あの時、閃めなかったら世界は違ったのだろう。」

老人は首に掛かけていたペンダントをひらく

そこには4人の写真が入っている

老人が若い時に撮った写真だ

そして今までの日々を思い出す

自分の母親の事や戦いで散っていった仲間たち

そして、長い時間を共に過ごした唯一無二の存在だった相棒

「相棒……。僕ももう少しでそっちに逝くよ……。そこには母さんや教祖……そして……君のお姉さんも居るのだろうな。寂しくないよ」

過去の出来事を振り返り、男は片方しかない目を閉じる

「君があの時死んでから、もう50年経つんだね。君が死んでから僕は挫折や失敗を重ねて来た。でも、君が教えてくれたから、今の僕がいる。向こうに逝ったら、またあの頃みたいに、みんなで話したいな……」

その次の日の早朝、その老人は悲しまれつつ、息を引き取った

息を引き取った直後、老人は不思議な感覚に包まれる

「これは……走馬灯……? そうか、僕は死んだのか。死んだら人生を振り返ることが出来るって聞いた事あるから、これから振り返えるって訳か」

これは、世界に音楽を広め、世界を音楽をの力で変えるために男と仲間たちの奇妙な《絆》の物語である

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