第27話 夢

白崎さんを送り自宅に戻ってきた。

特にやることもなかったので、お風呂に入り寝る準備をした。

時刻は23時頃。疲れもあったためかベットに入りすぐに睡魔に襲われた。


「隼人!海に行くぞ!準備できたかな?」

「できてるよ!パパもママも早く行こうよ!」

「そうだな。ママも準備できた?」

「できましたよ。お弁当も詰め終わりました。行きましょうパパ。」


「海だぁ!すごい大きいね!」


僕は大きな海を見て大きな声を上げる。


「海は後にとっておいて、先に水族館に行くぞ~」


「うん。」


あれ、僕はどうしてこのやり取りに見覚えがあるんだろう?

父さんと母さんも生きている…

ねぇ、父さん母さんも生きていてくれたの?

ごめんね?僕があの日、海に行きたいなんて言わなければ今もこうして一緒に生活できてたんだよね。

僕だけが生き残ってしまった…。

ダメなんだ。このまま今日を過ごしてしまったら。

また、父さんと母さんは事故に遭って…死んでしまう。

もう見たくないんだ。大切な人が僕のそばから消えてしまうのは…

夢なんだろう?頼むから覚めてくれ。あの事故が起きる前に…。

目を開けるとベットの上で、額からものすごい量の汗をかきながら天井に向けて手を伸ばしていた。


もうすぐ、朝日がさす時間。

嫌な夢を見た。すごく気分が悪かった。

もう、このまま起きるか…

キッチンに行き、水道の水をコップに入れ一気に飲む。

そのままソファーに座り時間が過ぎるのをただ待った。


もうすぐ、白崎さんが来る時間。

僕も用意しておかないと。待たせてしまう。

用意しているとスマホがなった。

それを確認し、エントランスまで降り白崎さんと合流した。


「おはようございます。」

「おはよう。」

「高木さん。なんだか調子が悪そうですが、大丈夫ですか?」

「うん。大丈夫だよ。」

「無理しないでくださいね?」


そのまま二人で登校した。

騒がれるのが嫌なため、白崎さんに話学校近くで別々で門をくぐった。

白崎さんは、不満そうな顔をしていたがお昼は一緒ですからね?と言って了承してくれたのだった。

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