天使に願いを05

私『私は、いたって紳士である! だから、けしてやましい気持ちではないのだが、気になるあの娘の何気ない生活を覗き見たい! 関西弁がキュートなのだ!』


天使『あらまぁ』


私『そのために、私を透明人間にしてくれ!』


天使『よしなに』


 天使が消え去るまで見送ってから、気になるあの娘の家へとむかった。


 だがしかし!


娘『きゃーーー!』


 粗忽者の天使は、私を完全な透明人間にしていなかった。


 透明になったのは、皮膚や筋肉だけ。

 ほっそりとした骨と、ぷりぷりと健康そうな内臓が透けていたのだ。


娘『これって、すけとるん!?』


 それに、スケルトンでもある。


 当初の目的とは違ってしまったが、怯える彼女は可愛らしく、私はすっかり骨抜きである。

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