悪魔との契約28

私『大きな幸せを願うなど、愚の骨頂! 願いの大きさと同じだけの不幸をも呼びこもうというもの!!』


悪魔『ほう』


私『だからこそ私は、小さな幸せを願う!』


悪魔『その願い叶えてやろう』


 悪魔は酷薄な笑みをたたえたまま、私のそばに来ると、耳元でこう言った。


悪魔『これから、お前を地獄に連れ帰り、永劫とも思える時間、拷問にかける。その終わりの時こそ、小さくかそけき幸せを味わうであろうよ』


私『そんな怖ろしい事はやめてくれ!!』


 平身低頭、悪魔に考えを改めてもらえないかと媚びへつらった。


悪魔『それなら、やめておこう』


私『ああ、良かった』


 私は安堵のため息を漏らした。


悪魔『願いは、しかと叶えたぞ』

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