天使に願いを04

私『私は人間というものが、ほとほと厭になってしまった。悩んでばかりだ。それに比べて、猫の気ままさよ! 私の理想はこれだ! 私を猫にしてくれー!!』


天使『よしなに』


 こうして、私は猫となり、人生ーーーいや、にゃん生を謳歌したのだった。


 命の危険も伴い、人間に比べて短い命となったが、その分、毎日が輝いている!


 ーーー天使よ、ありがとう。



◇◇◇◇◇◇◇



 その日、うらぶれた廃屋で、男が亡くなった。

 自分を猫だと思い込んでいると、近所からは腫れ物を触るように扱われていた孤独な男だ。


 ーーーしかし、その死顔は、とても安らかだったという。

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