新たな問題

新たな問題(1)

 あの巨大液晶画面に映し出された映像は、ネットで放送され。その日の夕方のニュースでは、宗方教授が6年前の放火を企てたことが話題になり。新たな問題が発生に信也は不安を隠し切れず、これから予想できない事件が待ち受けている。


 信也は社長宅に帰ると、工藤とIの姿が見えない。一足早く帰った工藤とIは、工藤の部屋にいた。

「I、話って何?」

「実は、明後日までに用意しもらいたい物があるの、信ちゃんには内緒で」

「木村さんに内緒!?」

 工藤は、Iの用意して欲しい物になんの意味があるのか、何やら小声で話をしていると。

工藤の部屋のドアをノックする音が聞こえ。

「希さん、います?」

「……どうぞ!?」

「失礼します」

 信也は初めて、希の部屋に入り。すかさずIが信也に。

「もしかして、私に会いたくなったとか?」

「違いますー、調べた結果が気になって」

「特になかった」


 信也はIに、5日後の月曜日に何かヒントがあるかもしれないと、調べってもらっていた。

「このままじゃ、ことが起こるまで待つしかないってことなのか!?」

 すると、工藤が気になっていたことを聞き。

「木村さん、6年前の宗方教授の研究って、どんなものだったんですか?」

「人工知能を悪用し金儲けを企んでいるとしか思えなかった。私は、そんなことに人工知能を使用したらダメだと、止めさせた。あのシステムは、ネットで暴走することがわかっていた」

「もしかしたら、サイバーテロを企んでるとか、まさかないですよね?」

「いや、可能性はあるな。大金を手に入れることができなかった場合を考え、銀行を狙う可能性もあるかもしれない」

 Iも同じことを考えていた。

「私、宗方教授が私に言ったことも気になるだけど、とにかく信ちゃんは、明日、社長の友人の村岡刑事さんに会って、さぐりを入れてください」

「わかった、ところで、帰ってきてから何かこそこそしてなかった?」

「してたよ、女同士の秘密の会話ってやつ、信ちゃんはダメだからね、男だし」

「なんだそれ!? でも、本当、2人仲いいよな」

 そのことに、工藤は、そんな当たり前じゃないのと言い。Iは、親友だけど、恋のライバルと言い。信也は、また押し問答になると思い。

「明日、警察に行ってくるれけど、そうだった、社長が特製オムライスを作るからって、言ってたよ」

 それに工藤が素早く反応し。

「本当に!? ここ何年も作ってなかったのに」

「よほど、事件が解決したことが嬉しかったんだと思うよ。それに、社員みんなに焼き肉食べ放題の食事代も出してたし、今日は家族みずいらずで祝いたいからって」


 夕食の時間になり、特製オムライスは、ケチャップ少し多めのチキンライスで、少し硬めの薄焼き卵。どこか懐かしい味で信也はお代わりをしていた。その光景に社長も喜び、少しうらやましそうにIが見ていた。

 夕食事後、社長の携帯電話に村岡刑事から連絡が入り。宗方教授の研究施設から押収物を信也に確認して欲しいと言ってきた。あと、捕まった研究施設にいた者たちは、戦闘用の人工知能を作るためだけに雇われだけだった。

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