月と盃

仕事だから

彼女に告げて

同じ空の下

別の雲を見上げている


なに見てるの

別の声が耳元で

甘い香りを囁く


応じる素振り

気の無い素振り

照れ笑いに

交わる視線


徐々に体温を分かち合う


雲の切れ間から現れた

真白な月を盃に浮かべ

真っ赤な嘘とともに

一気に飲み干す

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