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アナウンスがホーム中に響き渡り、電車の扉が閉まる。
「な、んで……」
大悟を見上げる希依子の瞳に驚きと困惑の色が差す。
「ごめん、付いてきて。でもちゃんと理由を、教えてほしいんだ」
そこまでするかと希依子の表情が云っている。確かに、フった相手に地元まで尾行されていたら怖いかもしれないと今更ながらに自覚する大悟。
「……近くにマックがあるから、そこで話そう」
大悟はポテトとメロンソーダ、希依子はハンバーガーとバニラシェイクを頼んで一番端の席につく。
「長くなる話なの?」
「たぶん……」
「……何で、オレとは付き合えないの?」
「……事故物件みたいなものだよ、わたしなんて」
「事故?」
言葉の意味を汲み取れず、どういう意味? と尋ねると「そのまんまだよ」と希依子は言った。
「例えば、殺人犯と付き合いたいとは思わないでしょ」
「でも希依子は違うだろ?」
「違う。でもそれくらい、わたしとは付き合わない方がいいの」
無理やり丸め込まれたような説明に納得がいかず、でも何を訊けばこのモヤモヤが解消されるのかわからずにいると、ハンバーガーの包装紙を開きながら希依子が言った。
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